【ムスリム諸国、印・中国でのキリスト教徒迫害】迫害の嵐は止まる所を知らず。国連などの国際社会は黙認

今日は、日本は成人式ですね。
ご成人された皆様、おめでとうございます。

年末のクリスマスから続き、年末年始からの一連の行事もここで一段落ですね。
この年末年では、あまり日本では報道されませんでしたが、海外のニュースサイトではキリスト教徒への迫害のニュースが多くでていました。
そのことについて、当サイトの英国の協力メンバーからです。
非常に長文で読み応えがありますが、この世界の状況を今一度考えてみてはいかがでしょうか。
海外ニュース翻訳情報局 編集長 樺島万里子


12月25日は全世界で20億人超えるキリスト教徒が一斉に救い主イエス・キリストの降誕を祝う一大行事の日。

キリスト教徒の少ない日本でもクリスマス・ケーキを食べたり、プレゼントを交換したりと、日本でもお馴染みとなった日です。しかし、イスラム圏や中国・インドではキリスト教徒迫害の凄まじい嵐が吹き荒れる一方で、国連などの国際社会は、ムスリム諸国を中心に強まる一方のキリスト教徒迫害については、全くの黙認を決め込むという影の存在もあります。(gatestone) 

日本は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」に基づき、安全保障と経済の両分野において、インドとの2国間の関係強化に動いてますが、キリスト教迫害監視団体「オープン・ドアーズ」によると、インドのクリスチャン迫害は昨年、世界のワースト11位でした。信教の自由という人権を守れない国々との経済協力には落とし穴が潜んではいないのでしょうか?

ここでは、クリスマスにちなんで、ゲイトストーン・インスティチュートが掲載したレイモンド・イブラヒム氏によるキリスト教徒迫害に関する記事をご紹介します。

Post by Eshet Chayil 2019/0/14 10:31

ゴムの鞭、過激派によるキリスト教徒迫害

Gatestone by Raymond Ibrahim 2018/12/25】

・2011年の南スーダン独立に伴う撤退を背景に、スーダン大統領オマル・アル-バシールはより厳格なシャリーア法(イスラム法学)の適用に加え、イスラム文化やアラビア語のみを容認する姿勢を強めている。同国内のキリスト教指導者によると、南ス撤退でキリスト教徒が国外に退去したとの認識を前提にしており、スーダン当局は教会の破壊や残されたキリスト教の教典の没収を進めている(2018年10月17日付けモーニング・スター・ニュース)。
・パキスタンでは、公立男子小学校の校長が、キリスト教徒の児童シャヒール・マシャー(Sharjeel Masih, 12)が校長の目の前で水道の蛇口に触れたことに怒り、暴行を振るった。「校長先生に掴まれた時、僕は水が流れ出ている水道の蛇口を閉めようとしていた。蛇口に触れて、汚した理由は何だと聞かれた」。児童はその後、停学処分となった。
・2003年の米英軍によるイラク攻撃を背景に、イラク国内のキリスト教徒の迫害が加速。拉致や奴隷化、強姦、虐殺(時には十字架への磔)が急増している。バスラのカルデア典礼大司教ハビブ・ナファリはこう警告する。「キリスト教徒迫害の嵐が次に巻き起こる時には、2000年の歴史を持つイラクのキリスト教は絶命しよう」

 

キリスト教徒の迫害の実態

 

ナイジェリア:

イスラム教徒はカデュナ県にある混雑した市場で10月18日、55人に上るキリスト教徒を殺害、教会に火をつけた。地元の情報源による事の顛末は下記の通り。

 

 「ムスリム(イスラム教徒)の1人が、市場で窃盗事件が起きたとデマを流したため、人混みの中での雪崩に繋がった。すると、別なイスラム教徒が『(イスラム聖戦士ジハードのスローガンである)アラフ・アクバ(=神は偉大なり)』と叫び始め、キリスト教徒を攻撃し始めた。キリスト教徒が所有する家屋や店舗が町中で放火された」

 

「人々が『泥棒だ。泥棒!』という叫び声を聞いた時、彼らは混乱して縦横無尽に走り始めた」と、ジェームズ・ムーア牧師は説明する。「人々には知らされていないが、これはムスリム青年団による暴動を起こすためのストラテジー(策略)だったのだ。彼らは殺戮、略奪、放火の暴挙に出た」カデュナ県のナジア・エル-ラファイ県長は現場視察の後、「55人の遺体を回収した。何人かの遺体は身元判定が不可能なほど焼き爛れている」と報告。さらに「イスラム過激派による、こうした攻撃は許されるべきではない…」と続けた。「国は(そこに住む)全ての人のためのものだ。1グループが別のグループを(暴力によって)追い出そうとするのは言語道断。人々は法治国家として、全ての人と平和に暮らすことを学ぶ必要がある」

 

西アフリカ地方を牛耳るイスラム国(IS)の別な惨状もある。ナイジェリアのテロ組織「ボコ・ハラム」は、赤十字のエイドワーカー(職員)ハウワ・レマン(Hauwa Leman, 24)の遺体を切断する悍ましいシーンを収録したビデオ映像を公表。その1ヶ月前にあたる9月15日には、別なエイドワーカー、サイフラ・コーサ(Saifura Khorsa)を殺害している。殺された女性ワーカー2人は、ジハードの奇襲時に捕まり、イスラム教の信仰放棄という罪で殺された。レマン殺害のビデオは、ムスリムのテロリストらが銃殺する前に、彼女の手を縛り、地面に膝まづかせていることを映し出す。このビデオはさらに、次にような映像もさらけ出す。キリスト教の信仰放棄を拒む15歳の少女、リア・シャリブ(Leah Sharibu)や、国際連合児童基金(UNICEF)に属する若いクリスチャン看護婦、アリス・ロクシャ・ンガダ(Alice Loksha Ngaddah)、幼児2人の母親に対し、彼らを一生、奴隷として拘束し続けると脅すシーンである。イスラム教のテロ組織の報道官はこう言及する

 

「我々は前もって警告した言葉通りに、もう1人の国際赤十字(ICRC)の職員の処刑を行った。人道援助ワーカー、ハウワ・レマンのことだ。サイフラとハウアの2人の処刑は彼女らが『ムータッズ(イスラム教を捨てた者)』であるとの見解に基づく。
 
一度はイスラム教徒だったにも関わらず、2人は赤十字で働くことを選んだ。その瞬間にイスラム教の信仰を放棄したと我々は見なす。我々はイスラム教の信仰放棄した者を放置しない。男も女も直ちに処刑する。
 
処刑するか、「インフィデルズ(イスラム教徒ではない不信心者)」として奴隷にするかは、我々独自のイスラム教理(ドクトリン)に則って我々が決める。今日、これは法に即している。いかに不信心者を扱うかは、我々がやりたいようにやってよいのだ」

 

「今日からは」とイスラム教のテロ組織はこう付け加えた。「リアとアリスは我々の奴隷だ」と。

このイスラム教のテロ組織の暴挙はまだある。カトリック教徒の部族のリーダーを誘拐して、殺害したとの疑いだ。ラファエル・ガラディマと彼の妻が地元の当局者と面談し、「フラニ」や、他のムスリム組織による殺戮事件に言及した直後の10月19日のことだ。ガラディマに同行した4人も殺害されている。ガラディマの身柄引き渡しのために大金が支払われたとの報道もあったが、10月26日に死体が発見された。


ケニア:

イスラム教過激派グループに属する20人強が10月10日午前1時、過激派組織「アル・シャバーブ」が実効統治するソマリアとの国境に近いマンデラで、地元出身ではない教師やクリスチャン2人を殺戮した。「地元出身ではない教師というのは、カトリック教会と東アフリカ・ペンテコステ派教会の信徒たちのこと」と、襲撃事件の生存者は語る。「攻撃してきた者たちは誰が標的なのか知っていた。我々2人が脱出できたことは、神に感謝するのみです。過激派グループは、地元出身ではない教師を全滅させるために、建物を打ち壊したのです」。地元出身者ではない教師は総じてクリスチャンであると正しく理解されている。8ヶ月前に起きた同様の襲撃事件ではクリスチャン教師3人が殺されたほか、2014年には、クリスチャンとムスリムが分かれて、バスに乗り込んだ後、イスラム教過激派によりクリスチャン28人が惨殺された。相次ぐ襲撃事件を受け、ケニアとソマリア国境付近に位置するクリスチャンや教会は存亡の危機に晒されている。

 「信徒や教会の先行き懸念」について、牧者の1人はこう語る。「(アフリカの角と呼ばれる東端における)私たちの存在が、神の御国にとって意味あることだと認識しています。しかし、恐怖に心が震えていることもまた事実です。地元出身ではない牧師である私は、いつ教会が襲撃されるか、と恐怖は払拭できません。信徒らも大変な恐怖の中にあります。神のご加護を求める祈りが欠かせません」。

マンデラ在住の教師、マーティン・カムツ(Martin Kamutu)はこう言う。

「罪のない教師ら、特に(神の)光を示すために、アフリカ北東部にやってきた人々が、その信仰ゆえに、殺戮の対象になっていることは憂うべきことです」。「非常に卑劣で卑怯な者の手(奇襲をかける過激派)によって、同僚を失うことは痛ましいことです。私たちの心の痛みは止まりません。生涯をかけ、プロ意識を持って、このムスリムのコミュニティ(地域社会)に貢献しようと献身していますが、それでもクリスチャンに対する彼らの憎みは尽きないのです」

同じくマンデラに在住するジョン牧師は状況をこう説明する。

「これは、宗教が可能にする邪悪さの、もう1つの事例なのです。マンデラにおいて私たちは、とても早いスピードでクリスチャンを失っています。先月にテロで5人なくしたのに続き、今度はまた2人の教師を失いました。私たちは国際社会や人権グループに対して、ケニア北部での惨劇に関与するよう求めています」

クリスチャンの迫害と侮辱罪と牧師について

 

イラン:

イスラム教から改宗した2人おキリスト教信者は「イスラム教当局に相反する特定の主義・思想(プロパンガンダ)を拡散した」との理由で、それぞれ18ヶ月と12ヶ月の禁固刑を言い渡された。しかし、判決内容を見ると、こう結論づけられているように映る。「聖書の権威を信じ、イエスを主と仰ぐことは、イスラム教に対する攻撃である」とーー。これに対し、イラン人キリスト教徒でアクティビスト(人権活動家)のマイク・アンサリ(Mike Ansari)はこう指摘する

「もしも、特別な案件に対処できる法制度が整っていないのであれば、裁判官の判決は、イスラム教の中でも権威的と見なされる解釈に基づく必要がある。イランの法廷の現状は、『イスラム教への背教行為は死刑に値する犯罪』と見なした、保守派の元首(イラン・イスラム共和国の最高指導者だった)アヤトラ・ホメイニ師の見解に基づいている…。ここ数年の例を見ると、法廷外の(違法な)処刑は、恣意的な逮捕や身柄拘束に徐々に置き換えられつつある。ほとんどの場合は、逮捕された人物は、犯罪としての訴追や家族の逮捕といった脅しを受け、彼らやその友人らが関わるキリスト教の家庭集会についての情報を提供するよう強要されている」


ウガンダ:

イスラム教から改宗してキリスト教の牧師となったウマル・ムリンデ(Umar Mulinde)。2011年に恐ろしいアシッド・アタック(酸攻撃)の結果、顔面には生涯的に残る傷を負ったが、一命は取り留めた。「ムスリム過激派が夜中、敷地内に押し入ってきた」(同氏)とき、彼と家族は裏口から逃れた。「私たち家族はみな、間一髪で助かった。無くしたものは、家庭用の製品や仕事用のラップトップやiパッド、携帯電話の幾つだけだ。尊い命はみな取り留めた。私の命を狙った攻撃であったことは間違いないが、危機一髪のところで、生き残った…」(同氏)という。警察は容疑者を誰も逮捕するに至っていない。

2011年にクリスマス・イブの述懐によると、「ちょうど車に乗り込んだところ、襲撃犯らが押しかけ、私の顔面にアシッド(酸)をかけた。顔の表皮組織は溶かされた…。人間としての私の肉体にとってはまさに致命的なことで、その後の私の人生を一変した。神の助けがなければ、アシッドによる火傷は、私を死にまで追いやったでしょう」。

 

医師らはムリンデ氏の一命を取り留めることに成功、彼は今やウガンダ全土でキリスト教の布教活動を展開する。ムスリムの人口比率は12%程度と低いことから、ウガンダ政府は一部で過激化するイスラム教徒に対する対策の必要性を深刻に受け止めていない。

これに対し、同氏は「ウガンダの人々は全て(過激化するイスラム教徒の脅威を)深刻に受けて止めるべきだ。今日は私だったが、明日は別の誰かが標的となる。私の場合は、生き残ることができて幸運だった。しかし、ほかの被害者が生き残れるかどうかは分からない。クリスチャンは、ムスリムの過激派が持つイデオロギーにもっと注視するべきだ。そして対策を講じる非常がある」と警鐘を鳴らす。

 

別な事件もある。ウガンダに住むムスリムの父親がキリスト教に改宗した妻と子供に対し、暴行を加えていたことが10月10日、明らかになった。妻のドリカ・カブオ(Dorika Kabuo)は次のように述べた。

「20年連れ添った夫が暴力的になったのは、私たちがキリスト教に改宗して、西ウガンダにある家から近くの福音派教会に属した時からです。愛と扶助を持って、接してきた人でしたが、私と子供たちがイエス・キリストを新たに信じたと聞くや否や、野獣に豹変。私や子供たちに日々暴力を振るうようになりました。ムスリムの家族でしたから、夫の親戚もこれに加わりました。子供たちにまで、です」

 

娘の1人であるサラは、次のように証言した。

「あの時、父は学費支払いを停止、私たちを養護することをやめたのです。理由もなく、暴行を振るうようになり、教会に行くことは禁止されました。父が出かけた時には抜け出しましたが。もしも、教会に行ったことがバレたら、ゴム製の鞭で私たちはみな鞭打たれました」

 

最後となった「ある晩」については、母親がこう続けた。

「夫は私たちを殴った後、キリスト教の信仰を続けるなら、翌日には私たちを(動物の肉のように)切り刻むと脅したのです。その夜こそ、夫が私たちを駆逐した時でした。私たちは少しばかりの手荷物をまとめ、それまで「うち」と呼んだ場所を後にし、カセセに向けて出立しました。どうやって、そこまで旅をするのか、どこに滞在するのか分からないまま、に」

 

息子のクリストファーはこう言う。

「もはや僕たちを止めるものは何もありませんでした。(キリスト教の信仰のうえで)兄弟であるほかの信徒と交わること、それは、僕たちが唯一、励まされ、満たされ、愛を受ける場所なのです。教会が僕たちの新しいうちとなったのです。キリスト教であり続けるとの覚悟を示せば、示すほど、父の暴力は激しさをましたからです」

 

ウガンダのオール・セインツ教会はホームレスとなったこの母子が身を寄せることができる家を提供したが、ドリカの夫の執拗さは続いた。

「夫はムスリム指導者たちを介して、どこに逃げ隠れても必ず探し当て、刑務所にぶち込んでやると脅してきました。その後、私たちは名前を変えたので、探し当てることは難しいと思います。キリスト教に改宗してからの生活は楽ではありませんが、信仰を維持し、最後まで走り抜けたいと願っています」(ドリカ)

 


アルジェリア:

キリスト教徒の男性2人が「イスラム教徒に対して改宗を扇動した」という罪で起訴されたという「事件」がある。事の発端は、イスラム教徒の妻と、その夫が、キリスト教に改宗した夫妻の家庭に招かれた夕食を共にした時のこと。イスラム教徒が大半を占める同国では、イスラム教徒への宣教は、れっきとした犯罪扱いなのである。

(起訴された)夫のラキッド・オウアリ(Rachid Ouali)と彼の67歳の友人、アリ・ラーチ(Ali Larch)は、食事をしながら、キリスト教徒としての歩みがいかに喜びに満ちているかを語っていた。すると、オウアリの妻は突然、立ち上がって、こう叫んだ。

「あなたが、ここに私を連れてきたのは、私を改宗するためで、私のイスラム教信仰を否定するためだわ。あなたは私を罠に仕掛けたのよ」。

オウアリ氏はこう振り返る

「妻は外に聞こえるよう、声を張り上げた」

その後、彼女は外に走り出し、近くに住んでいた家族のところで苦情を並べ立てた。妻はその後、家族からのプレッシャーを受け、警察でこう証言した。夫とその友人に教会の礼拝に連れて行かれ、そこでクリスチャンになるよう圧力をかけられた、と。アルジェリアの刑法によると、同罪の刑罰は5年以内の禁固刑、百万ディナリ(8687ドル=約96万円)と重い。

(イスラム教徒の改宗を狙った)扇動罪というのは、「イスラム教徒を他の宗教に改宗させる目的で、誘惑するような手法を用いたり、また含んだりすること、また、その目的において、教育・医療・社会的または文化的な施設や、教育機関、その他の設備を使ったり、金銭的なアドバンテージを与えること、イスラム教徒の信仰に疑問符を投じるような印刷物や映像、その他の音声や映像素材を作成や保管」することまで実に全てを含むのである。


スーダン:

治安当局は、南ダルフール州の首都、ニアラで10月10日、キリスト教の礼拝の最中になだれ込み、参列していた13人全てキリスト教徒を逮捕した。スーダンの国家情報治安当局(NISS)はどちらもキリスト教徒の逮捕理由を明らかにしていない。ある1つの報告書が「逮捕された者はすべて、イスラム教からの改宗者である」と言及しているだけである。「ダルフールの当局はイスラムからのクリスチャン改宗者をターゲットにしている」(地元の消息筋)。「逮捕者の居場所(や処遇)は未公開のまま。彼らの身の安否が心配」だと言う。拷問されている危険性が高いのである。

「NISS(スーダンの国家情報治安当局)はイスラム教の強硬派で固められた悪名高き政府機関である。起訴することなく、4ヶ月半に上る長期間に渡り、容疑者を拘束することもある。2011年の政権交代で、スーダン大統領に就任したオマル・アル-バシャーはより厳格ななシャリーア法(イスラム法学)適用を打ち出しているほか、イスラム文化やアラビア語のみを容認する方針も鮮明にしている。同国内のキリスト教指導者によると、南スーダン撤退でキリスト教徒が国外に退去したとの認識を前提にしており、スーダン当局は教会や残されたキリスト教の教典の破壊や没収を進めている」との報道もある。

 

10月23日付の報道によると、逮捕拘留されていた13人は釈放されたが、拘留期間に暴行を受け、改宗するよう迫られたという。


パキスタン:

刑事裁判所はイスラム教を冒涜したとの罪で、精神疾患があるとされるクリスチャン男性に対し、終身禁錮刑を言い渡した。ヤコーブ・バジル(Yaqoob Bahir, 25)は2015年6月当初は、イスラム教典コーランが引用された小冊子を焼却したとの罪で起訴されていた。

冒涜罪で追訴され、禁固刑により投獄される前は、彼が精神科病院で治療を受けているとの報道もあった。バシャーの母親カシュラ・ビビ(Kasur Bibi)は「堪え難いことです。同時に不公正でもあります」と嘆く

「私の息子は無罪です。彼は侮辱したり、冒涜したりするような行為はしていません。彼はこうした件について、気に留めたりしません。彼の頭脳は通常の人と違った働きをします。私には識字力がなく、法律や政策についてはよく分かりません。しかし、私は息子にとって公正な判決を求めており、1日も早く帰宅できることを願っています」

 

ほかの報道よると次のとおり:

「判決が言い渡されるまでの3年3ヶ月の間、ずっと拘留されていたバジルだが、裁判の過程として、実に約96回に上る公判が行われた。この期間、バジルはほかの拘留者から何度も暴行を加えられている。2018年6月にはバジルが雑居室で祈っていたことに腹を立てた、別の拘留者に殴られ、数カ所に怪我を負った。若いクリスチャンに対し、裁判所は冷たく、仮保釈請求は2度とも却下された。1度は下院(セッション・コート)において、2度目はハイデラバードの高等裁判所によって。判決を待つ間、バジルは深刻な病状に悩まされた。拘置所の衛生状態の悪さに加え、必要な医療処置が受けられなかった。バジルが冒涜罪で起訴されて以来、彼の家族は過激派グループに監視されておr、裁判所での公判の際も、過激派グループからの脅しや嫌がらせを受けていた」

常態化するキリスト教徒迫害の実態

 

ウガンダ:

イスラム教徒が若いキリスト教徒の男の子の首を絞め、恐喝した事例

エマニュエルくん(12)が家の近くでお手伝いをしていた時のこと、イスラム教徒の男性4人が彼を拉致し、約1マイル離れた農場に連れ去った。10月25日の午後9時過ぎのことだ。「アリ・ルクマン(Ali Lukuman) は僕がムスリムになるよう説得しようとしました。断ると、僕は引っ叩かれたので、叫び始めました」と、少年は証言した。

首を絞められた時の深い傷とクロロホルム吸引による副作用の治療のため収容された病院のベットから。「イスラム教に改宗しなければ、殺されると脅されました」。

父親がエマニュエルくんの姿が見えないことに気がつき、捜索隊を結成。叫び声を頼りに、放置されていた息子を探し当てた時、「意識はなく、半死状態だった」 という。「息子はうまく話すことができませんでした。混乱していて、絞首で受けた傷のため、首を回すことさえ、できませんでした」。イスラム過激派一派のボス、アリによる脅迫はすでに始まっていた。

「お前らがこの村で我々と共に暮らしたいなら、イスラム教に改宗する必要がある。それが嫌なら、立ち退いてもらうまでだ」


パキスタン:

パンジャブ州アトック地域にある公立男子小学校の校長、ヌスラット・シャヒーン(Nusrat Shaheen)女史は、キリスト教徒の児童シャヒール・マシャー(Shajeel Masih, 12)が校長の目の前で水道の蛇口に触れたことに怒って、暴行を振るった

 

「校長先生に掴まれた時、僕は水が流れ出ている水道の蛇口を閉めようとしていたのです。『chuha(クリスチャンに対する蔑称)』と呼び捨てにされ、蛇口に触って汚した理由は何だと聞かれました。校長先生は僕に体罰を加える前、『この水道はお前の母親の国からではない』と言いました。僕は校舎の外に5時間も座らされました」

 

その児童はその後、停学処分になった。翌日、彼と彼の母親は、謝罪した上で、処分取り消しを求めるために学校を訪ねた。「彼女(ヌスラット校長)は息子の間違いのために、彼女の足を私に掴めと言いました。警察官である彼女の弟が、私の幼い娘を買春宿に売りつけると脅したのです」(母親)。この事件は、パキスタンの連邦人権大臣 、シャイリーン・マザリ(Shireen Mazari)に報告され、校長は停職処分となった。

 

他には、イスラム教徒の男性が、カラチに住むセシルという15歳のクリスチャン生徒を攻撃し、拷問したという事件もある。セシルは村に住むクリスチャンの改宗を図ろうとしていたイスラム教神学校の生徒と正面衝突。「彼らの使命(ミッション)を妨げるな」と警告された。「その直後に」武装した過激派の暴徒がセシルの家を襲撃、家族を拷問した。女性メンバーが軽傷を負ったほか、セシルも頭部に怪我をしたとセシルの父ヨセフは振り返る。

 

「暴徒は真夜中に家の正面玄関を壊して、侵入してきた。侵入者はドアや窓、扇風機(ファン)や家具を破壊し尽くし、車も壊した。ラップトップ2台、携帯電話4機、および現金を含む貴重品が盗まれた 」

 

その後、6ヶ月に渡り、セシルは身の安全を守るため、秘密の場所に隠れ住んだ。事態の収束を願ってのことだ。しかし、彼が家に戻るや否や、「宗教的な動機を持つグループが攻撃してきた。鋭い武器で足を打たれ、皮膚が剥がれ、骨が露出した。セシルはまだ治療の最中で、身の危険は脅かされている」(セシルの父親)。犯人らは、法的訴追をするなと家族を脅かしていると言う


イラク:

「迫害の波がもう一度起きれば、2000年に渡り続いたイラクのキリスト教の最期となろう」とインタビューに答えて言ったのは、バスラのカルデア人大司教、ハビブ・ナファリ(Habib Nafali)。

ナファリ大司教は過去10年以上続いた暴力的なキリスト教迫害で古代から続くキリスト教の少数民族を事実上の壊滅状態にあると指摘。

2003の米軍主導によるイラク侵攻以来、キリスト教徒の人口は当初の150万から約25万に減っており、実に85%減を記録しています。この15年間、キリスト教徒は誘拐や奴隷化、強姦や虐殺ー時には磔によるーの憂き目に会っており、40日に1つの割合で、つまり、合計135箇所の教会や修道院が破壊された。イスラム国(IS)が迫害の元凶と目された通り、イラク国内のテロ組織が弱体化したことで、同国内のクリスチャンの状況はにわかに改善しました。にも関わらず、「言語を破壊し、家族を壊し、イラクから退去させようとする組織的な暴力による苦しい状況は未だ続いているのです」。

 


イタリア:

伊政府は10月12日、「イスラム過激主義」との関係が強く「国家安全保障上の危険」と見られたアフリカ出身の男性3人を「本国へ帰国させた」、つまり強制送還したと発表した

3人のうちの1人である24歳のガンビア人は、「白人の観光客」や「クリスチャン」を殺害し、教会を襲撃する願望があると供述。もう1人は、22歳のモロッコ人で、軽犯罪で逮捕された経歴があった上、酔っ払って無秩序な行為に出ることでも知られていた。2017年10月には、ユダヤ教礼拝所シナゴーグの近くで調理用ナイフを、「アラフ・アクバ(アラーは偉大なり)」と叫びながら振り回し、通行人を脅かしていた。


アルジェリア:

当局は、教会の指導者が法律から建造物の基準まで全てのコンプライアンスを満たしているにもかかわらず、また1つ別なキリスト教会を閉鎖した。10月16日には、警官8人が現れ、アザグハル(Azaghar)村にあるイエス・キリスト教会の正面玄関を封印した。

2017年12月に口を開いたアリ・ベンケラット(Ali Benkhelat)牧師は次のように語った。

「私たちの礼拝所に当局の調査が入ったあと、別の非常口ドアと消火器を常設するよう提供するよう指導されました。すぐに対処しました。工事のため3週間ほど教会を閉鎖もしました。今日まで教会の活動が容認されていたのは、実のところ、私たちを批難できる材料は何もないと言うことなのです」

教会を閉鎖する政府令は、「(教会として使用されている)建物のもともとの建造理由は家禽事業だった」と指摘する。牧師や他のキリスト教指導者は一方で「建物は綺麗で鶏が飼われていた事実はない」と主張。「教会閉鎖は、アルジェリアでのここ1年間立て続けに起きている教会閉鎖の一環」と見る。


スーダン:

イスラム教徒の警察官は、伝統的なイスラム教徒用ガーブで体を覆っておらず、明らかにクリスチャンと識別できた女性に対し、性的な嫌がらせをした事件がある

報道によると次の通り:

24歳の大学生、ニアンキイル・クアル・マイエン(Nyankiir Kual Mayen)が、彼女の車の後をつけていた公共秩序(パブリック・オーダー)担当の警察官に気づいたのは、教会の礼拝に向かう途中だった。アカーシャとだけ名乗った警官は、彼女が町の主要市場のある辺りに差し掛かった時、彼女を呼び止めた。スーダンの厳格なイスラム教の慣習に従った服装ではない女性は、イスラム教徒ではないと簡単に識別できる。その警官は彼女を掴み、胸を触ったと、マイエンは言う。
警察署への任意同行を求めれたが、路上で令状なしに女性を逮捕することは違法であると主張した。怒った警官は淫らな服装をしていたとの理由で逮捕すると態度を硬化させたが、マイエンの教会の聖歌隊長であり、経営管理の学生が、マイエンが丈の長いスカートとブラウスを着ていたと証言したため、事なきを得た。人権活動家は、スーダンの公共秩序警察官は、信教の自由を含む人権の侵害が日常化しており、しばしば女性を逮捕しては、釈放を確固たるものとするため、罰金や賄賂の支払いを強要されていると、指摘している。

執筆者レイモンド・イブラヒムについて

中東情勢やイスラム圏の専門家。エジプト出身の両親のもと米国で生まれ育った。アラビア語堪能。米ニューヨーク・タイムや英フィナンシャル・タイムズなど大手紙や大学での執筆や講義活動を手掛ける。ゲイトスートン・インスティチュートのシニア・フェローであり、ジュディス・ローゼン・フリードマン主催の中東フォーラムのフェローとしても活躍する。近著に「剣と三日月刀ーー14世紀に及ぶイスラムとウエスト(キリスト教圏)の戦い」(デカポ・プレスより2018年8月28日発刊)がある。

クリスチャン迫害の報道シリーズについて
ムスリム社会全体、あるいは殆どがキリスト教徒迫害に関わっているわけではない。しかし、イスラム教過激派によるクリスチャン迫害は世界的に増加の一途を辿る。この報道シリーズは、クリスチャン迫害が決してランダムに起きているのではなく、組織的なものであること、また言語や民族性、土地柄を問わずに起きていることを浮き彫りにする。

 【その他の記事から】

インド:キリスト教の弾圧:クリスマスの礼拝に行く子供たちに暴徒が嫌がらせをする             

中国 :  宗教弾圧 :公園で祈っていた20人以上のキリスト教信者が逮捕された

【中国】イースターのキリスト教弾圧:中国は、信者と教会グループを逮捕

インドネシア:キリスト教徒がシャリア法違反によりモスク前で鞭打ちの刑に

インドのキリスト教迫害:

 

(海外ニュース翻訳情報局 序文:樺島万里子、 本文序文:エセト・カイル、本文翻訳:エセト・カイル)

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