【ドイツ】メルセデス・ベンツ:北朝鮮への流通経路を調査

米国のヴォイス・オブ・アメリカ(VOA)の記事をご紹介します。

《引用記事 VOA

ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツは、北朝鮮への高級品の輸出が禁止されているにもかかわらず、同社の高級車が北朝鮮に流通しているという事態について、真相究明に乗り出す。

ドイツ・シュトゥットガルトに本社を構えるメルセデス・ベンツはVOAの韓国語版に発表した声明で「15年以上にわたり、メルセデス・ベンツは北朝鮮とのいかなるビジネス関係も持っていない。従って、同社の車両がいかにして北朝鮮政府の使用に至ったのかについての知見はない」と明言した。

声明はまた、「北朝鮮への輸送を防ぐため、メルセデス・ベンツは包括的な輸出管理プロセスを導入し、米国とEUの禁輸制裁に厳密に従っている」と述べた。

その上で、「メディアの写真に掲載されている車両に関しては、常に徹底的な調査を行っているが、具体的な車両識別番号がない限り、具体的な結論を導くことは難しい」とも付け加えている。


金正恩のメルセデス贈呈の歴史

北朝鮮の指導者、金正恩は、自身に忠実な高官たちにメルセデス・ベンツを贈ることで知られている。金正恩自身も過去に何度かメルセデス・マイバッハに乗っている様子が目撃されている。

北朝鮮の国営メディアKCNAが12月27日に公開した映像によれば、与党・労働党の年末会議に参加する高官たちがメルセデス・ベンツのSクラスセダンで到着した様子が見られる。首相キム・トクフン氏は、メルセデス・ベンツSクラスのリムジンに乗車していたと報じられた。

報道によると、同社の公式ウェブサイトによると、このメルセデス・ベンツSクラスセダンの価格は11万4500ドル(約1650万円)~。

北朝鮮の指導者、金正恩氏は、これまでに自身に忠実な高官たちに対してメルセデス・ベンツを贈ることで知られている。また、金正恩氏自身も過去に複数回、メルセデス・マイバッハに乗車している様子が目撃されている。彼は2019年9月に訪露しウラジーミル・プーチン大統領との会談に臨む際、マイバッハを装甲列車に乗っていた。

ジョシュア・スタントン弁護士は、ワシントンを拠点にし、2016年には制裁執行・政策実施法の起草に関与した専門家として知られてる。スタントン氏は北朝鮮が意図的にこの映像を公開した可能性があると指摘し、「彼らは高級車を誇示し、制裁の影響を受けないことをアピールするためだ」と語った。

スタントン氏はさらに、メルセデス・ベンツに対しては国連専門家パネルに「全面的な協力」を呼びかけ、「専門家たちが北朝鮮への自動車供給の出処を特定できるようにするべきだ」と主張。
「国連の制裁を故意に破った者は、特別指定国民リストに登録され、その資産は凍結されるべきだ」とも付け加えた。


2006年国連安全保障理事会により北朝鮮への贅沢品輸出を封じ込めるために禁輸令が制定された。その後、2013年の決議でこれらの制裁が拡大。
国連北朝鮮専門家パネルは、北朝鮮に対する制裁が遵守されているかどうかを厳密に監視している。

アンソニー・ルギエロ氏(民主主義防衛財団上級研究員・制裁専門家)は、
「金正恩が北朝鮮の制裁違反を露骨に行っているのは、バイデン政権が国連と米国の制裁を十分に実施していないことを認識しているからだろう」と指摘。

同氏はさらに、「バイデン政権は、中国やロシアの銀行、企業、個人など、北朝鮮の制裁を逃れるために関与している者に対して即座に米国の制裁を実施すべきだ」と主張している。

北朝鮮当局者がメルセデス・ベンツの車両で到着した映像に対し、米国務省の報道官は12月27日、VOAの韓国語版に対して、国連加盟国が北朝鮮に対する制裁を遵守すべきだと語った。
「国連安全保障理事会の決議に基づき、全ての国連加盟国は北朝鮮への輸送車両の供給、販売、譲渡を禁じられている」と報道官は述べた。

また朝日新聞(現在は同社記事は削除されているので、こちらのテレ朝ニュースをリンク貼ります)によると、日本の警察が12月に行った捜査によると、バングラデシュを経由して北朝鮮に約7万ドル相当のレクサスを密輸しようとした疑いが浮上し、千葉市の自動車販売店が家宅捜索された。

高等防衛研究センターの報告書によれば、2019年には90か国が北朝鮮への高級品送付に関与しており、800台以上の未報告の高級車が北朝鮮に送られたとされている。
これらの車両はドイツ、オランダ、タイを経由し、中国、日本、韓国、ロシアで積み替えられたと報告されている。


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