【米国】ホワイトハウスのウイルス対策を失敗と主張した内部告発者が辞職

「トランプ政権のコロナウイルス対策は失敗」と主張する政府高官の内部告発者が事実上解雇されました。この内部告発者は、リック・ブライト博士。
かつてバイオディフェンス機関のトップでしたが追放され、国立衛生研究所(NIH)を辞職した人物です。

同博士の解雇は、トランプ大統領の新型コロナ対策が、科学より政治的になってきたことによるものだと弁護団は主張しています。

米国民は、トランプ大統領の新型コロナ対策がどこまで評価されているのか、評価されていないのか、それともコロナ問題は大したことではないと考えるのでしょうか。
大統領選での米国民の判断に注目ですね。

この記事は、メディアバイアスがやや左よりのザ・インデペンデントからご紹介します。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)


《引用元  ザ・インデペンデント 2020/10/07 

「トランプ政権はコロナウイルスへの対応に失敗した」と主張する政府高官の内部告発者は、火曜日に辞職した。

リック・ブライト博士の弁護士によると、博士はこの春、バイオディフェンス機関のトップの地位から追放された後、国立衛生研究所に異動になり外されたという。

弁護士のデブラ・カッツ氏とリサ・バンクス氏によると、ブライト博士はトランプ政権下で政治的に有害な立場になっていたため、国立衛生研究所(NIH)の上層部は全米レベルのコロナウイルス検査戦略を無視したという。

弁護団は「NIHの指導部は、明白かつ単純な政治的配慮から、ブライト博士の勧告を支持しなかった。」と指摘。
「これがラクダの背を折った有名な藁だった*。博士はもはや、科学よりも政治をアメリカ国民に大きな損害を与えるような政権のために働くことを許容できない。」(ブライト博士)

“訳注*・・限界を超えた状況では、ほんの些細なことが大事故を引き起こす原因となるという戒めのことわざ”

保健福祉省からの回答はすぐには得られなかった。

ブライト博士は、内部告発者の申し立てを調査する政府機関である特別顧問室に苦情を申し立てた。同博士は火曜日の苦情に付け加えて、政府からの解雇は強要されていると述べた。

ブライト氏は博士号を持つ免疫学者で、かつてはバイオメディカル先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority)の局長を務めていた。バイオメディカル先端研究開発局は、パンデミックやバイオテロ攻撃などの脅威に備えて国の準備を行うHHS機関である。

その機関は現在、コロナウイルスのワクチンを供給するキャンペーンで中心的な役割を果たしている。ブライトの専門はワクチン開発である。

ブライト局長は5月、COVID-19の治療薬としてドナルド・トランプ大統領が宣伝していたヒドロキシクロロキンというマラリア治療薬でニューヨーク地域に多量に送りこむよう圧力をかけられたが、それに抵抗したため、局長職を即座に解任されたと主張していた。

当時、ニューヨーク州とニュージャージー州はウイルス発生の最悪の時期を迎えており、医師たちは重篤な患者に提供できる治療法をほとんど持っていなかった。米食品医薬品局 (FDA) は最終的に、コロナウイルス患者の治療にマラリア治療薬を使用していた緊急当局を廃止した。

ブライト氏はまた、医療従事者のためのN95マスクの供給を確保するための同博士の初期の努力は、博士を警戒主義者として見たHHSの上層部によって拒否されたと主張している。個人用保護具の不足は、病院や介護施設にとって継続的な懸念事項となっている。

当時、トランプ大統領はブライト局長の主張を 「不満を持った部下からの苦情だ 」と却下した。

後にブライト氏は、米国はコロナウイルスと戦うために完全に開発された戦略を欠いたままであることを議会の前に証言し、国家が 「現代史の中で最も暗い冬 」に直面する可能性があることを警告した。

トランプ大統領がウイルスを過小評価し、国家の準備に失敗したという批判は、民主党のジョー・バイデン氏が大統領の再選を拒否するキャンペーンの中心的な話題となっている。一部の学者は、COVID-19による死者数が、来年の初めまでに約40万人に倍増する可能性があると予測している。

トランプ大統領は、新型コロナウイルスに感染し、週末に入院したが、ホワイトハウスに戻ってきた。彼は「コロナを恐れるな」とツイートし、付け加えている。「それがあなたの人生を左右されないように。我々は、トランプ政権の下で、いくつかの本当に素晴らしい薬と知識を開発してきた。」彼は選挙戦に復帰する予定だという。

ブライト博士の弁護士によると、博士が開発した検査プランは、トランプが拒否したもので、新型コロナ感染の症状はないが、知らず知らずのうちに広がっている可能性がある人のスクリーニングを重視している。また、黒人、ラテン系、その他過度に犠牲者を出している人たちに焦点を当てているという。

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