【米中貿易戦争:視点】ハリウッドでさえ米国のハッピーエンドを知るも、中国は何の保証も口にしない

トップ写真 :スティーブン・ムニューシン米財務長官(中央)が北京のホテルに到着。

5日、米国のトランプ大統領は、 中国の知的財産権侵害などの米中貿易摩擦に関し、 2000億ドル(約22兆2000億円)分の同国製品に課す関税を、 10日から現在の10%から25%に引き上げるとツイッターで表明しました。




10カ月間、中国は米国に対し、ハイテク製品50億ドルに対して25%、その他の製品200億ドルに対して10%の関税を支払ってきた。 これらの税収はわが国の良好な経済実績に一部貢献している。 中国から輸入される325億ドルの追加商品は非課税のままだが、まもなく10%の関税から25%の税率に上がる。 米国の徴収する関税は製品コストへの影響はほとんど無く、主に中国の負担となる。 中国との貿易交渉は継続しているが、時間がかかりすぎだ。 中国は再交渉をしようとしているが。だめだ。


13億人を超える人口を抱える中国との交渉がいかに困難かということを、ハリウッドの映画を視点にみたオピニオンです。興味深い視点ですのでぜひご覧ください。
こちらは、ガルフ・タイムズの記事から紹介します。

Post by ONTiB 2019/05/06 11:24

Gulf Times 2019/05/04】
ブルームバーグ/ワシントン

米中の全面的な貿易交渉の妥結がいかに難しいかを示す証拠として、ハリウッドに注目してほしい。合意までには数日かかる可能性もあるため、米国の映画会社の要求は依然として激しい交渉の対象となっている。

現在米国の映画産業は、中国で上映される映画のチケット売り上げの約25%を受け取っており、トランプ政権は北京に、他の国々に合わせてその率をおよそ40%に増やすよう圧力をかけていると事情に詳しい関係者は語った。情報筋によると、ドナルド・トランプ大統領が中国との貿易赤字を削減しようとしている時に、米国産業界はこの分野での譲歩を、サービス輸出強化を促す勝利につながると位置づけている。北京はこの問題について譲歩する意欲を示しているが、まだ確約を表明していない。

映画の収益分配の問題は、世界の二大経済大国間の数ヶ月に及ぶ貿易紛争を終わらせるために、5月10日頃までに最終的な貿易協定を発表する方向に向かうなか、米国と中国が依然として直面しているハードルを明確に示している。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は来週の交渉の後、貿易交渉を終えるために会談するかどうかを決めるだろうと、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は木曜日に語り、米国は会談する可能性が高いと見ていると付け加えた。

「その日の終わりに2人のリーダーが座り、このような主な貿易協定の詳細をまとめるのを確かめる必要があるでしょう」とサンダース報道官は述べた。「引き続き進歩を見守ります」

合意に至るかは、双方の貿易交渉における最も難しい問題を解決できるかにかかっている。匿名を条件に話した関係筋によると、残っている最大の問題点は協定を取り締まるための実施方法と、関税を撤廃するか据え置くかについての決定を含んでいる。両国は昨年互いに3600億ドル相当の商品に課税した後、昨年12月1日のトランプ大統領と習国家主席間の休戦以来、激しい交渉を続けてきた。

どの商品の関税が撤廃されるのか、そしてどの商品の関税がどれくらいの期間保留されるのかについての最終決定は両首脳に委ねられていると関係者が述べた​。米通商代表のロバート・ライトハイザー氏と中国の劉鶴副首相はここ数カ月関税の選択肢について議論してきたが、解決策について合意することができなかった。

水曜日にライトハイザー氏とムニューシン財務長官は北京での会談を終えた。そして、劉鶴副首相はさらなる議論のために5月8日にワシントンに到着することになっている。ムニューシン財務長官は北京の会議について「生産的」とツイートしたが、両国とも交渉の状況について公表しなかった。米中が協議が順調に進んでいると示している間、最近ホワイトハウスは北京への圧力を強める方向へシフトした。今週米国当局者は、来週劉鶴副首相がワシントン訪問後に協定が成立しない場合、彼らは立ち去る用意があると警告した。ムニューシン財務長官は月曜日、フォックスビジネスのネットワーク番組「Mornings with Maria」のインタビューで「中国とDCの次の2ラウンドの間に、私たちが大統領に合意を提言するか、合意しないことを提言できるようになることを望んでいる」と述べた。

業界団体を代表する匿名の3名によると、米国通商代表部(USTR)の関係者はこの数週間、米国企業代表に電話し、各分野で行われている進捗状況について説明し、最終合意を公式に支持するよう依頼してきたという。

来週合意に失敗した場合、米国は北京に圧力をかけるため、新たな関税を含む幅広い選択肢を持っている、と関係筋は語った。そして合意に達する可能性が高いと付け加えた。しかし映画業界の例は、すべての未決事項を決着させることがいかに難しいかを示している。収益分配に加えて、USTRは米国映画協会(MPAA)、主要な映画スタジオとネットフリックスを含むメンバーとの定期的な会話の中で提起された他の問題を議論している。

ひとつは中国の流通業者の数を増やすことである、と業界関係者は述べた。中国で外国映画を配給することが許可されているのは、ふたつの政府系配給業者のみである。スタジオで公開日を選択したり、映画のマーケティングを管理することはできない。MPAAによると、中国の興行収入は2018年に90億ドルに達し、119億ドルの米国市場に次ぐ結果となった。

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