【G20 米朝問題】韓国メディア:文大統領によると、トランプ氏は、非核化後に金総書記が望むものはすべて与えると述べた。

北朝鮮の非核化について、トランプ大統領が韓国の文大統領に「非核化後、金総書記が望むものは全て与える」と言ったと韓国メディアの聯合ニュース 英語版で報じています。
そのトランプ氏の発言の根拠を他のメディアで探しましたが、トランプ氏が金氏をよいしょしたとしている記事はいくつかありますが、「望むものは全て与える」とまで書いてあるのは、大手メディアだと聯合ニュースだけのような気がします。この記事を受けて、カナダのグローバル・ニュースが報じているぐらいです。
しかも、この発言、文大統領が帰国の際のエアフォースワンで記者たちに「トランプ大統領がこういった」というように、文大統領の言葉を介しているものです。
この文大統領の発言は、韓国国内向けに発せられたものなのでしょうか。文大統領が述べたように、本当にそこまでトランプ氏は発言したのでしょうか。
トランプ大統領と文大統領の間で、本当にここまで取り決められたとしたら非常に大問題ではないかと思います。
韓国メディアが、英語記事でこの発言を発信しているところをみると、海外を意識しているだろうし、こういう風に、海外メディアを使っているのではないかと思います。
そうだとしたら、韓国は非常にメディアの使い方が上手いですね。こういう広報活動は、国としての存在をアピールするにはいいのではないかと思います。
日本の英文発信はどうでしょうか。
韓国の聯合ニュースの記事を紹介します。

Post by Mariko Kabashima  2018/12/04 19:05

Yonhap News by By Byun Duk-kun 2018/12/03】

12月3日エアフォースワンにて:
米国のドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮が非核化措置を誠実に履行すれば、北朝鮮に約束したすべてのものを提供する用意があると、韓国の文在寅大統領は述べた。

文氏によると、トランプ氏は、アルゼンチンで開かれたG20での米朝首脳会談で、北朝鮮の金正恩第1書記にこのようなメッセージを伝えるよう要請したという。

同大統領は、ニュージーランドに向かう途中、エアフォースワンで記者団と会談し、「トランプ大統領は金総書記に対して非常に好意的な見方をしており、金氏を気に入っていて、金総書記が残りの合意を履行し、金総書記が望んでいることを実現することを望んでいる、というメッセージであった」と語った。

トランプ氏と金氏は6月に初めて会談し、米国の安全保障と引き換えに、北朝鮮の完全な非核化を約束した。

トランプ氏は、金総書記と再び会談することで合意したが、北朝鮮の非核化の見返りとして、早期の見返りや対応策をめぐる論争が予想されるため、具体的な日程はまだ決まっていない。

文氏とトランプ氏は金曜日の会談で、共産主義国家が完全に非核化するまで、現行の対北朝鮮制裁の継続が必要との認識で一致したと、文政権の大統領官邸が先に明らかにした。

韓国の大統領は、対応措置が必ずしも制裁の解除や削減である必要はないと述べた。

「対応措置は、制裁の緩和や解除を意味するだけでなく、韓米軍事演習や人道支援、さらにはスポーツや文化交流などの非政治的交流の遅延や縮小につながる可能性もある」(文大統領)

金総書記の年内ソウル訪問の可能性について尋ねたところ、大統領は、それはまだ可能かもしれないし、金氏次第だと述べた。

金総書記はこれに先立ち、9月の3回目の南北首脳会談に向けて文氏の平壌訪問に応じるため、韓国を訪問することで合意していた。

しかし、少なくとも来年初めに予定されている第2回米朝首脳会談が終わるまで、第4回南北首脳会談が延期されるのではないかという多くの見方がある。

文大統領は、 「米朝首脳会談の前に南北首脳会談の可能性に合意しただけでなく、金総書記のソウル訪問が韓半島の非核化に向けた新たな契機になるだろう」 と述べた。

また、金総書記の訪朝が実現すれば、非核化への意志を示す可能性もあると付け加えた。

「金総書記のソウル訪問自体が大きな意味を持つだろう」 (文大統領)

北朝鮮の指導者が韓国を訪問するのは、少なくとも1950〜53年の朝鮮戦争終結後初めてだという。

さらに、「金総書記のソウル訪問そのものが、世界への平和的メッセージであり、非核化へのコミットメント、南北関係の発展へのコミットメントのメッセージでもあると信じている」と付け加えた。

しかし、韓国の文大統領は、北朝鮮の非核化プロセスを最終的に協議しなければならないとし、第2回米朝首脳会談の早期開催の必要性を強調した。

同氏は、「我々は、交渉が難航した場合には、意見を述べて仲裁する役割を果すつもりだが、基本的には米朝間で解決しなければならない問題だと思う」と語った。

また、朝鮮半島の完全な非核化に向けた共同の取り組みに「全く違いがない」があるとして、韓米間の不協和音の可能性を否定した。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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