【米国・情報流出】中国での米国スパイネットワーク崩壊:元CIA職員の裏切りで逮捕

元CIA職員が、不法に機密情報を保持していたとして米国で逮捕されました。CIA職員として知り得た情報が中国に流出した疑いがあるようです。また、中国が次々と衛星を発射し、偵察技術を磨いているという話題にも触れられています。国家間の仁義なき情報争奪戦の一端が垣間見られる記事ですが、日本の情報活動がこの動きについていけているのか少し気になりました。本記事は、英国エクスプレスからの紹介です。

Post 2018/01/18  1:00   update 12:55

Express UK By TARYN TARRANT-CORNISH  2018/01/17】

中国における、米国のスパイネットワークが崩壊した後に、秘密主義で知られるCIAの元職員が情報を共産党当局者に流した疑いで逮捕されたことを米国司法省が明らかにした。

多くの米国の情報提供者が中国に特定されたために2012年に始まった徹底的な捜査の後、ジェリー・チュン・シン・リー(Jerry Chun Shing Lee)が逮捕された。

CIAのスパイたちがいかに中国の手に落ちたかについてFBIが調査したところ、捜査官はリー氏の存在に気づくこととなった。

リー氏(53)は、ケネディ空港で逮捕され、不法に国防情報を保持しているとして告発された。

彼は2007年にCIAを去った後に香港に住んでいた。そして、彼が米国に戻ることを知った米国当局者に逮捕された。

彼が米国に戻ってきたと見られる前回の旅の後、捜査員は彼の荷物とホテルの部屋を調べ、機密情報が書かれた小さなノートを発見したと報告した。

そのノートには、情報提供者との会合についての詳細や彼らの実名、連絡先電話番号が続けて書かれていたことが、裁判文書で明かされる。

 

リー氏がCIAにいたときに書いた重要極秘メモに記されたデータと、(ノートに書かれた)情報は一致すると主張されている。

情報が漏えいした原因を探し出そうと、数々の異説が展開された。

CIA内部にスパイが存在していたのは、(他国の)諜報機関職員による企てであったと報道されている。

一方、外国の情報網に接触するために使われる最高機密の通信ネットワークがハッキングされ、中国当局者が情報源と結びついてきたと指摘した者もいた。

伝えられるところによると、(その原因は)中国で諜報活動を行うCIA職員のお粗末な作戦実行と組み合わさっていると考える者もいる。

逮捕の一報は、中国が地表を調査するために新しい衛星を宇宙に発射した後に届いたと、国営新華社通信が明かした。

この衛星は、土地の資源を遠隔探査し、技術を使って植生、水、不浸透面、栄養素、および土壌の分析をするために設計されている。そして、発射はここ数日前に発射された他の2つの宇宙ミッションの直後に行われた。

2基のスーパービュー1地球観測衛星と、ロングマーチ3Bロケットが先週木曜から軌道に送られている。

地元メディアは以前、中国があらゆる米軍機を追跡することができる「ビッグブラザー」式(訳注:独裁的な、監視的なという意味を示している)の「ゴーストイメージング」衛星を間もなく所有する計画であると報道した。

偵察衛星により、中国政府は通常では見つけることができない米国B-2スピリット・ステルス爆撃機などのステルス標的を追跡することが10年以内にできるようになるだろう。

ゴーストイメージングと呼ばれるシステムを使うことで、厚い雲の下を(軍用機が)飛行していても、中国は空軍を撮影することができるようになるであろう。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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