【米国・社会】アメリカ人の退職年齢は上昇し、健康状態はより悪化している

日本は急速に少子高齢化が進んでおり、年金受給開始年齢が上がる中、希望する65歳までの定年退職者の再雇用義務化がすでに始まっています。米国でも、退職年齢が徐々に上がりつつあり、さらには、以前に比べて人々の健康状況も悪化しているそうです。老後に明るい未来はあるのでしょうか。本記事は、米マーケットウォッチからの紹介です。
Post 2017/11/25  9:42

Market Watch By Grace Birnstengel  2017/11/20】

【アメリカ人高齢者は以前よりも、より深刻な健康問題を抱えている】

アメリカ人は、より長期間働いているが、最近のデータでは年間の死亡数が2014年から2015年で1.2%上がったことを示している。

アメリカ人が社会保障の給付金を満額請求できる年齢は、2002年当時65歳からだったが、2027年には67歳に上がっている。つまり、我々の多くがそろそろリタイアの歳になっても、さらに晩年まで働いているということだ。

この傾向を安定化させるために、平均余命が伸び、長く健康でいることを望むであろう。だが、ブルームバーグの報告を通じて(米医学誌)ヘルス・アフェアーズ誌が報告した新しいデータは、別の点を示唆している。アメリカ人の高齢者はより深刻な健康問題を以前よりも抱えており、短くなった退職後の期間を楽しむことが難しくなっていることだ。

このヘルス・アフェアーズ誌記事の著者は、「通常の退職年齢が上がっている第1の理由は、社会保障が創設されたことで平均余命が大幅に向上したからであった」と書いている。しかし、保険計理士協会のデータでは、年間の死亡数が2014年から2015年で1.2%上がり、2005年から初めて対前年比で上がったことを示しているとブルームバーグが明かした。

【健康が保てなくなると】

比較的同じくらいの寿命を生きていても、データでは、50代後半のアメリカ人は、10年から15年前の同年代であった者たちよりも、より深刻な健康問題を抱えていることが示されている。

ヘルス・アフェアーズ誌の記事では、アメリカ人高齢者の健康を比較するため、ADL(日常活動動作)測定を使って調査データを調べた。ADL制限には、部屋内の歩行や、自力での更衣、入浴、食事、就寝、起床(ができないこと)が含まれる。50代後半からこのような制限を抱えるアメリカ人の数は、退職年齢が65歳の頃は8.8%であったが、今と同じ退職年齢66歳の人の中では12.5%に上がった。

この研究では、認知能力の健康も調べた。66歳で退職することになっているアメリカ人のうち11%には、58歳から60歳の時点ですでに認知能力の低下や認知症の兆候が見られた。これは、退職年齢が65歳であった頃のアメリカ人から、退職年齢が66歳の者になると9.5%上昇している。

【何が悪いのか?】

米国の格差が、長く健康に人生を送ることに対する大きな脅威であることは皆知っている。しかし、ブルームバーグは自殺、薬物の過剰摂取、アルコール乱用、および肥満のまん延も、死亡率や総合的な健康状態の低下に影響を及ぼしている可能性があると指摘している。

より長期間働くことは、アメリカ人の財布には良いことかもしれないが、心と体がケアされないのであれば、本当にそうする価値があるのだろうか。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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