【米国:中南米キャラバン】移民キャラバンの移動は、米国国境より遠く、また過酷であり、今に始まったことではない

中米からのキャラバンのニュースは、当サイトでも報じましたし、ニュースやネットでもその様子が報じられています。
主流メディアの報道だけみていると、このキャラバンの移動が、トランプ政権になってからおきた危機のように私達は感じてしまいがちです。
しかし、果たしてこれはトランプ政権だから起きたことなのでしょうか?
実際、WOLA(Washington Office on Latin America)によると、この移民の波が劇的に今年増加したというわけではないようです。
ただ、トランプ政権になり、急にこの問題が大きく注目されただけで、もともと中南米の移民については、組織的にギャングのような存在が介入し、それに騙されて不幸になった移民も少なくないとう状況でした。

ブルー:メキシコ系移民以外のすべての国からの米国での逮捕者 グリーン:中米北部三角地帯:グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルからのメキシコでの逮捕者

 

そのことを見ると、トランプ大統領がこの問題に取り組み、世界中に注目を浴びさせたということこそ、今まで人権が無視され、そのことが問題にもならなかった移民たちにとって良い事なのではないかと思います。
また、国を守るということに妥協したり、見て見ぬふりをしたりすることこそ、そこに悪がはびこり、国やその国民、そして移民をも不幸にするということが、米国のこの問題を通して知ることができるのではないでしょうか。
現在の状況について、Market Watchの記事を紹介いたします。

Post by Mariko Kabashima、2018/10/30  10:40

Market Watch By Maria LaMagna  2018/10/29】

今週のニュースでは、中米から米国にやって来る移民のキャラバンについての報道が大きく取り上げられたが、このグループは米国国境から遠く離れている所にいる。

米軍当局者らによると、米軍は、キャラバンの到着を見越して、南西の国境に5,000人の兵士を派遣する計画を準備している

移民が米国に到着するまでにどれくらいの時間がかかるのだろうか?

 

AP通信によると、キャラバンは20日、メキシコのタパナテペック市の近くにいた。メキシコ南部のオアハカ州で、米国との国境から約1,000マイルのところである。
CNNによると、このキャラバンは約2週間前にホンジュラスで結成された。1日に約20~30マイルを走行し、一部は徒歩で、一部はトラックなどの乗り物に乗っているが、歩行ペースである。

キャラバンの規模に関する推定値はさまざまで、3,600人から7,000人の移住者がいると報告されている。しかし、エルサルバドルを含む他のキャラバンが形成されていると伝えられており、エルサルバドルでは10月31日に北上する予定であるとNBC Newsが報じた。
あるキャラバンは10月28日、グアテマラからメキシコに入ろうとした。彼らはグアテマラ警察と衝突し、1人の男性が頭部外傷で死亡したとAPは報じた。

多くの移民が報道機関に、貧困や集団暴力から逃れていると語っている。

砂漠を通過してのメキシコの旅は危険だ。
過去のキャラバンに参加していた人々の大多数がそうであると報告されているように、多くの移民が中米からメキシコを経て、最終的には米国国境を通過しようとする試みは、この行程では全く成功していない。

メキシコは、同国南部の州にとどまることを条件に、一時的な労働許可や、将来的にはその他の利益を亡命希望者に提供していると伝えられている。

アムネスティ・インターナショナルによると、身代金を集めようとする犯罪組織によって、毎年2万人もの移民が誘拐されているという。
また、10人に6人もの女性や少女が、旅先でレイプされているという。

移民が、メキシコの警察で直面するかもしれない問題については、さまざまな報道がある。

メキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領は、「メキシコは移民が私たちの領土に不法に入ることを許可しないし、暴力的でもない」と述べた

先週金曜日、(メキシコ)警察は、メンバーがメキシコとグアテマラの国境沿いの川を越えて急襲したため、キャラバンと衝突したと伝えられている。
そのような公式の立場と、キャラバンのルートに沿った警察の存在が伝えられているにもかかわらず、移民は北に向かって進んでいる。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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