【米国: 環境問題】「環境に優しい」カリフォルニア州は、これまで以上に海外からの石油に依存している

・カリフォルニア最大の原油輸入先はサウジアラビアで、2017年には9800万バレル以上に達した。
・環境保護主義者は、ジェリー・ブラウン知事に新規の石油・ガスのリース発令を停止させたい。
・しかし、このことはカリフォルニアをさらに海外依存させることになる。

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン州知事に、州内での石油と天然ガスリースの発令を中止するよう求める声が高まっており、州内すべての化石燃料の生産を停止すべきだと主張する者さえいる。

しかし、州内の原油生産の減少傾向が続くからといって、カリフォルニア州が石油の使用を停止するわけではない。

同州は、米国で「もっとも環境にやさしい州」の1つにランクインされているが、まだ沢山の石油を使用しており、それはまさに他国からのものである。

実際、カリフォルニア州エネルギー委員会のデータによると、カリフォルニア州の製油所で受け入れられた原油の56%以上は外国で採掘されたものだという。
かつては第3位の石油産出州であったカリフォルニア州は、これまで以上に外国の石油に依存している。

カリフォルニアの原油輸入の最大シェアは、サウジアラビアからのもので、米国へ流入する外国産原油の29%を占めている。
イラク、クウェート、エクアドルなどのOPEC加盟国が、外国産石油の輸入の70%以上を占める。

カリフォルニアの外国産石油の割合は、1990年後半から急増している。
アラスカでの生産減少と同様に、掘削を制限する数十年にわたる州の政策がその役割を果たした。

州議会はまた、サンタバーバラの大規模な原油流出から数十年後の1994年に、新たなオフシュアの掘削リースを完全に禁止した。
地質学的要因もまた、他の州に比べて原油を汲み出すのにコストがかかってしまう。

環境保護主義者たちは、カリフォルニア産の石油生産を非難しているが、同州の原油採掘を控えていることが、外国産原油への依存度を高めている。

同州のデータによると、カリフォルニア州の石油生産は1985年以来56%減少している。その多くは、米国政府機関が要求する同レベルの環境保護や公衆衛生保護を設けてない国々からの石油輸入に置き換えられつつある。

自由市場エネルギー研究所の上級研究員、ダン・キッシュ氏は、「かつて西海岸は石油輸入に最も依存していなかった地域で、カリフォルニア州とアラスカ州の生産量が多く、石油需要のほとんどを満たしていた」と述べた。

Source: California Energy Commission

 

「しかし、米国が外国産石油への依存度を下げるにつれ、カリフォルニアは最下位を競っている(訳注:つまり依存度が高いということ)」とキッシュ氏は、ディリーコーラーに語った。

カリフォルニア州の精油所は、(石油の)混合要件に対応するために必要な設備のアップグレードにコストがかかるため、ほぼ州内限定で供給している。

また、製油所は他の州の施設から地理的に隔離されており、カリフォルニア州の工場と他の州を結ぶパイプラインは、輸入ではなく輸出用である。

専門家は、豊富なシェールオイル埋蔵量とオフショア掘削の増加により、米国は2022年までに原油の純輸出国になると期待している

米連邦統計局が発表したデータによると、ヒューストン−ガルベストン港の燃料輸出量は、今年初めて輸入量を上回った。

全体的に見て、米国は外国のエネルギーへの依存度は低くなっているが、カリフォルニアは石油輸入への依存度を高めている。
環境保護論者たちは、地球温暖化との戦いという名の下、この傾向を続けたいと考えている。

「石油やガスの掘削が一夜にして終わるとは誰も期待していないが、カリフォルニア州には段階的に廃止する計画すらない」シエラクラブ(訳注:米国の自然保護団体)のエグゼクティブ・ディレクター、マイケル・ブルーヌ氏は論説の中で、ブラウン氏に対し、州内の石油・ガス生産を停止するよう求めた。

ブルーヌ氏の呼びかけは、カリフォルニアでの化石燃料生産を止めるために多く呼びかけるもの1つに過ぎない。
活動家はまた、州議員に対し、2045年までに100%のグリーンエネルギーを義務付ける法案を可決するよう要請した。

「事実、ブラウン知事のリーダーシップの下、カリフォルニア州は2万以上の新たな油井とガス井を承認した」とブルーヌ氏は、8月の上旬に書いた。「まさに間違った方向に向かっているリーダーシップである」

サンフランシスコ・ベイエリアの2人の当局者が、ブラウン氏に「カリフォルニアでの石油とガスの生産を段階的に廃止し、都市や町や農地をきれいにし人々を守る計画を立てるように」との意見書を書いた

ベニシアのエリザベス・パターソン市長とリッチモンドのメルビン・ウィリス副市長は、カリフォルニア州31郡から183人の他の地元当局者とともにブラウン氏に対し、同州での化石燃料生産の中止を要請した。

これらの地元当局者は、カリフォルニア州で新たな掘削許可を出さず、新たな製油所も許可しないよう要求し、環境保護活動家たちに加わった。
また、「すべての居住中の建物、公共の公園、農場」から2,500フィート以内の井戸を閉鎖することにより、「すべての化石燃料生産の迅速かつ管理された減少」を望んでいる。

しかし、彼らの最終的な目標は、公的な要求書によれば、「再生可能エネルギー」に完全にもとづいて運営される州であるとしている。

シエラクラブは、デイリーコーラーのコメント要請に応じなかった。

Source: California Energy Commission

 

 

しかし、これは環境保護活動家の反化石燃料キャンペーンに対する明白な批判を無視している。
カリフォルニアはまだ石油を使用するが、それは海外から来るものだろう。
実際、これは同州のデータが明確に示していることだ。

キッシュ氏は、「石油とその開発資金を利用できる州にとっては悲しいことです。特に大きな可能性を秘めているので」と述べた。

2017年の同州の製油所の原油輸入量は、依然として6億2,300万バレル近くに達している。
これは一朝一夕には撤退できないことである。

カリフォルニア州はまた、カナダから少量の輸入を受け入れているが、同州の精製業者は近年、カナダ産の石油の使用量を減らしている。
この傾向が反転したとしても、同州の計画担当者は、精製業者がカナダ産原油を一定の平均的なブレンドの性質を維持する他のタイプの油で補うといまだみている

カリフォルニア州のガソリン需要は2004年から2009年にかけて減少したが、最近の不況からの回復と人口増加によりその後上昇傾向にある。

引用ここまで
The Daily Caller by Michael Bastasch 2018/08/28】

環境に優しいと言われるカリフォルニア州が、外国産の石油の依存率が高いという事は皮肉な現実ですね。
Post by MK 2018/08/30 11:30

 

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