【北朝鮮・平昌五輪】北朝鮮選手団、金正恩の強制収容所送りに?

日本にとっては数々のメダル獲得など喜ばしい話題も多かった平昌五輪が2月25日に閉会を迎えます。開会直前に韓国と北朝鮮の女子アイスホッケー合同チーム結成が発表され、金正恩のかつての恋人とされる玄松月氏や妹の金与正氏が次々と訪韓するなど、一部ネットなどで「平壌五輪」と揶揄されたほど北朝鮮に注目が集まりました。

今回紹介する英国・エクスプレスの本記事は、成績が振るわなかった北朝鮮選手団の処遇についてのものです。根拠は脱北者の証言のみであり推測の域は出ませんが、この話が本当でないことを祈るばかりです。

また、いわゆる「微笑外交」で悪化していた韓国との関係を劇的に改善したのみならず、五輪期間中に国内で兵士が処刑されたという情報もあるとのことです。北朝鮮は五輪を巧みに利用し尽くした印象を持たざるを得ません。

もはや五輪が「平和の祭典」であると信じる人はそれほどいないと思われますが、これまで以上に五輪を隠れ蓑にした策略を許さない判断力が必要であると感じた今回の平昌五輪でした。

⋆こちらはエクスプレスUKの記事から紹介します。

Post 2018/02/25  21:56

Express UK by ZOIE O’BRIEN  2018/02/25】

過去の選手が祖国のために競技した後に収監された疑惑を鑑みると、北朝鮮の冬季五輪選手団は、過酷な強制収容所送りにされてしまうかもしれない。

ある脱北者が、選手・コーチともに収監の危機にあるという懸念について口火を切った。彼らは隣国の韓国で1つもメダルを獲得できずに帰国する見込みだからだ。

キム・ヒョンス(Kim Hyeong-soo)と名乗るこの脱北者は、彼らが試合に出る姿を二度と見ることはないかもしれないと警告した。

昨年、彼は次のように語っている。「選手の目を見れば分かりますよ。選手たちは自分たちの誇りや幸せのために競技をしているのではありませんから。それよりも恐怖が勝るのです。」

「もちろん、仮に金メダルを取ることができれば、自動車や平壌市内の新しいマンション、米の追加配給といった多大な恩恵にあずかることができるでしょう。」

「しかし結果が芳しくなければ、選手やコーチは実際に収容所に送られ、数か月の過酷な強制労働を課されうるのです。」

北朝鮮は世界各国を凌ぐことができなかった。このことは間違いなく、核兵器に取り付かれた指導者、金正恩の自尊心を傷つけている。

北朝鮮政府は、いくつかの競技で韓国と合同で北朝鮮選手を試合に出すことに合意したが、メダル獲得では苦戦している。

しかし、プロパガンダにやっきになる当局者は、選手らが敗北した理由について国民に向けた作り話まで準備しているのではないかと前述の脱北者、キム・ヒョンス氏は主張した。

以前の試合で祖国に栄光をもたらすことができなかった選手は、伝えられるところによると試合前に平壌市内のキャンプに留め置かれ、国内最高のコーチ陣の指導を受けたとされる。

敗北を喫したために逮捕された者の中には、1966年ワールドカップの北朝鮮サッカーチームも含まれるとヒョンス氏は語った。

 

独裁者金正恩の妹が開会式に出席し、死の灰や二国間の高まる緊張から韓国人の目を逸らしたように見えるが、北朝鮮の状況は相変わらずだ。

北朝鮮の平昌選手団が注目を集める一方、陸軍の兵站担当者が秘密裏に処刑されたという情報が出回り始めている。

2009年に脱北したキム・ヒョンス氏は、2016年に残念な結果に終わった後、リオ五輪の選手団は数か月に及ぶ強制収容を受けたであろうと明かした。

北朝鮮の選手は、母国に5つの金メダルを持ち帰るよう命じられたと言われているが、2つの銀メダル(原文ママ。金メダルの間違いと思われる)を獲得したにとどまっている。

(飛び込み競技金メダルの)キム・グクヒャン(Hyang Kim、原文ママ)は(2015年世界水泳選手権の)表彰台上であふれんばかりの涙を流して泣き、抱えていた重圧を露呈した。

また韓国で試合に臨んだ選手には、数か月に及ぶ過酷な強制労働が待ち構えている可能性がある。

明日公式に閉会を迎える五輪の試合には、数百人の女性応援団や国内で高い人気を誇る歌手までが送り込まれたが、北朝鮮メディアは大会の様子を報じていない。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

 

この記事が気に入ったらシェアをお願いします。