【フィリピン:激白】ドゥテルテ「もしも海洋資源が奪われたら海軍に攻撃命令を出す」

2016年のハーグ仲裁裁判所による違反判決を無視して、フィリピンが領有権を主張する南シナ海の海域に中国が人工島を建設したことはよく知られていますが、この記事に登場するベンハム隆起は、フィリピンの東側、南シナ海とは反対側に位置しています。
この海域は中国の主張する九段線の外側にあり、中国も科学調査を行っているにすぎませんが、海洋・海底資源が豊富とされるその海域の領有権を、フィリピンのドゥテルテ大統領があらかじめ強い言い方で主張しています。
それにしても「戦争をするつもりはないが、もし他国が自分の領海から資源を盗もうとするなら、攻撃する」というのは、ドゥテルテ大統領ならずともすべての国の代表者が堂々と発言すべき台詞だと思います。
ABCニュースから記事を紹介します。
Post 2018/02/12  14:54

ABC NEWS  By JIM GOMEZ, ASSOCIATED PRESS 2018/02/10  】

フィリピン大統領は、領土争いを理由に戦争に突入するつもりはないが、もしも自国の排他的経済水域から他国が資源を盗むようであれば、海軍に攻撃命令を出すと語った。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は金曜日の記者会見において、フィリピンは係争中の南シナ海の領海問題について引き続き中国と議論を続けると述べた。彼はまた、自国の北東の沖合に位置する広大な領海、ベンハム隆起の領有権も協調した。

「中国に対してと同様、我々はアメリカと戦争をすることなどできない。静かにしているしかない」とドゥテルテは言う。「だが、経済水域から何かを取っていくような相手に対しては、海軍に攻撃させる」

ドゥテルテが触れている200海里排他的経済水域は、1982年の国連海洋法条約において、海洋国家が自国周辺の海洋資源開発権を守るために定められたものだ。外国船の航行は認められているが、その海域での漁業や、海底からの原油や天然ガスの採取は禁じられている。

この発言に対するアメリカ及び中国大使館からの公式声明は今のところ出ていない。

先日ドゥテルテは、ベンハム隆起をフィリピン隆起と改名、その海域でのすべての外国による科学調査を中止させ、海軍と空軍に巡視をさせ始めた。その海域は漁場として良好なだけでなく、海底には天然ガスと原油が眠っているという。

「フィリピン隆起、我々はベンハム隆起と呼んでいるが、それはフィリピンのもので、その経済水域もフィリピンに属していることを世界中に伝えておく」とドゥテルテは語った。

太平洋に面したベンハム隆起は約2400万ヘクタール(5900万エーカー)の広さで、フィリピンの排他的経済水域と遠く広がる大陸棚を含んでいる。

昨年初頭、その海域に中国船が侵入し、縦横に航行するのが観測された際、フィリピンの国防当局は懸念を表明し、その海域への注目を引いた。

大統領府代表ハリー・ローク・ジュニアは火曜日に、中国、日本、韓国、アメリカを含むすべての国の科学調査団はその海域での調査活動を既に終え、ドゥテルテは今後の調査活動はフィリピン人により行われることを望んだ、と伝えた。

ベンハム隆起は、フィリピン、中国ほか4か国が数十年にわたって領有権を主張し、議論が硬直化している南シナ海とは、フィリピン諸島を挟んで反対側に位置している。

専門家は、南シナ海での中国との長年くすぶっている領海争いにもかかわらず、なぜドゥテルテ政権が中国にベンハム隆起での科学調査を許可したのかを疑問視している。中国はまた、事実上南シナ海すべてにおける自国の主張が国際仲裁裁判によって歴史的な観点から否定されたのを無視し、応じることを拒否している。

数十名の左翼活動家が土曜日、首都マニラの中国領事館前でデモを行った。中国の国旗と「中国は出て行け」というメッセージが書かれた赤い船型の紙製の帽子を被っている者もいた。彼らは南シナ海のスプラトリー諸島の人工島に中国が防衛・軍事基地を建設していることに警戒を発した。

「海洋全体の領有権を主張したとしても、私の国の経済水域には手を触れるな」とドゥテルテは、あからさまに中国を意識して言った。

2016年に政権に就いた後、中国との国交を回復し、中国からの投資と建設資金を受けてきたドゥテルテによると、中国はスプラトリーでの建設をこれ以上進めないとの中国高官からの約束があったという。

「私は中国にその約束を守らせるし、我々はお互いに自分の確約に忠実でいるだろう」

「中国は今回きちんとやっている」とドゥテルテは言い、さらに付け加えて、中国の動きはアメリカとの強国同士の競合関係に左右されており、フィリピンは「そのような関係には巻き込まれない」と語った。

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係争中の島での中国の拡大する軍事基地化に対し、中国領事館前で船型の紙の帽子を被り、幟を掲げて抗議するデモ隊員

(海外ニュース翻訳情報局 加茂 史康)

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