【日米関係・慰安婦】なぜ日本は植民地時代の「慰安婦」像での戦いに負けるのか

【海外ニュース翻訳情報局より視点共有のお願い】

新しくサンフランシスコに慰安婦像が設置され、日本国内で物議を呼んでいます。
日本国内の意見をざっとみたところ、「悔しい、腹が立つ、歯がゆい、日本政府は何をしているんだ」という印象の意見が多くあるようです。
当サイトの編集部でも同じような感想を持ちましたが、当サイトの使命として、海外でこのことがどういう風に報じられているかということを検証するべきだと考えました。

私自身は、83ほどの保守系、リベラル系など記事を読みましたが、ほとんどの記事が「慰安婦に同情的」であるという印象を持ちました。
慰安婦のウソに論点を絞り日本人が抗議したり、大阪市の吉村市長が正義感をもって姉妹都市を解消することを宣言したりしたことが、全部裏目になるような記事の発信をしているということにも少しショックをうけました。
これらの記事を読むと、おそらく日本の事をほとんど知らない一般の外国人は、彼女たちの話を信じ、あまり日本にあまりいい印象を持たないだろうな思いました。

これはどういうことなのか。

これから紹介するワシントンポストの記事は比較的客観的に書かれていますが、その他の記事にしても、親中韓の記者が多いと気づきました。(この記事の最初のタイトルは「why Japan is so mad」で、変更された形跡があります)

恐らく中韓のロビー活動の戦略が上手く、そういう記者を育ててきたのだろうだと思います。海外の主流メディアで日本の味方になってくれる記者はいないのだろうかと思いました。それに加え、日本を傷つける記事などは、日本発信のものがほとんどだと言うことも原因にあります。

慰安婦については、当時、日本政府の内閣官房長官だった河野洋平氏が認めた(しかもその文章に日本政府が調査した結果と書かれている)ことに加え、現地の日本人(本当に日本人かどうかは不明ですが)、日本からの発信が慰安婦側に立ち日本を糾弾しているにも関わらず、日本政府と日本人が今さら否定するなんて悪あがきにしか見えないという論調になっているわけです。
しかも彼女たちは情に訴えていると言う点で同情される要素が強いです。

しかしながら、各記事に対するスレッドをみると、日本の個人の方々が正しい史実を伝えようと必死になって書いてくれている様子が見えます。時には、中国人、韓国人も彼らの歴史認識がウソであるという証言をしてくれたりして日本を守る発言もみられます。

これらの事をみると、慰安婦問題についての日本の最大の敵は、日本国内にあり、その客観的な事実を分析して、彼らに負けない行動をしていない政府にあると思いました。

それから余談ですが、日本に厳しい記事を書くワシントンポストの記者達は、先日当サイトで紹介した、ソロスの会議に出席していることもわかっています。
国内だけの議論にとどまらず、彼らが発信したものを読み、どうするかを考えるべきではないでしょうか。

(海外ニュース翻訳情報局 編集長 樺島万里子)
Post 2017/11/25 16:11


アメリカ主要都市では初となる、サンフランシスコでの慰安婦像除幕式への招待状(写真提供 慰安婦正義連盟

 

The Washington Post  by Adam Taylor 2017/11/21】

物議を醸す像がアメリカの地に降り立っただけではない。その像は増え続けている。そして、それらが引き起こす激しい論争は、アメリカ人たちの間だけでは済まないようだ。

サンフランシスコで金曜日に除幕されたある像は、見えないところで、日本からの批判を引き起こしてきた。その中には、地元の日本領事館による設置差止めの動きや、地球を半周越えてやって来る日本の保守派からのいわば嫌がらせも含まれている。

設置は、「やっかいな彫像が引き起こす状況は、ただでさえ泥沼化しているのに、別の物議を付け足すことになる」と、サンフランシスコの山田淳総領事は、ワールド・ビューに語った。日本外務省の報道官は、「像設置は、遺憾であり日本政府の今までの立場と努力に反する行為である」とコメントした。

しかし、その像の何が物議を醸すのか?セントメアリー広場に置かれ、カリフォルニアの彫刻家スティーブン・ホワイテの作であり、近くで佇む老婆と共にいる3人の少女を模様しているただの彫像でしかないのにだ。

その像の碑文に、日本がなぜ憤慨するのかを見付けるヒントがある。碑文には次のように書かれてある。

「この記念像は、『1931年から1945年まで、13のアジア太平洋の国々から大日本帝国陸軍によって性奴隷とされ』、慰安婦と呼ばれた何十万人という女性そして少女たちの苦難を物語る証である。」

これは、米国の主要都市で、初めて設置される慰安婦像である。それは、今後増え続ける傾向の一つである。伝えられているところによると、既に韓国で40個、アメリカ国内で10個の像が設置されている。その中には、バージニア州のフェアファックス郡ニュージャージー州南カリフォルニアの物も含まれる。

文化や価値観等のソフトパワーや国際社会での評価を気にする日本にとって、これらの像はやっかいな問題である。しかし、なぜ日本はこの戦いで負けているのだろうか?

2015年12月、ソウルの日本大使館前で、戦時中の性奴隷を象徴する像の近くで集まる日韓合意の反対派が様子(写真提供EPA通信Jeon Heon-kyun)

 

慰安婦像はどのように広まっていったのか

占領中の朝鮮、中国、そしてフィリピンから、20万人もの女性や少女たちが、大日本帝国陸軍が経営する売春宿で、強制的に働かされていたと、主流派の歴史家たちは言う。かつては、ほとんど話題に上らなかったが、90年代になり、生存者たちが、自分たちの体験を公の場で語り始めた。すると、すぐに、日本の戦時中の行為に対する謝罪を求める声が広がっていった。

しかし、その最初の慰安婦像が建てられたのは、2011年になってからであった。空席の椅子の傍に座っている少女の銅像が、ソウルの日本大使館前に設置された。訪れた者が、空席の椅子にその若い犠牲者と並ぶように座ることは許可され、支持者の中には、風邪を引かないようにと、(マフラー等の)冬の服飾品を付けてあげたりする者もいた。慰安婦像は、日本政府への謝罪を要求する生存者とその支持者によって行われる、大使館前での1000回目のデモ行進を記念して設置された。

性奴隷を追悼する記念像は、他にも長い間存在したが、この慰安婦像については、今までと違う形で、人々の心を捉えているように見える。

すぐに同じデザインの慰安婦像が、ドイツオーストラリアに設置された。「このことが、これらの追悼像が何を表すのかそのものです。」と、ドレーク大学のメアリー・マッカーシー助教授は言う。「これらの女性たちの物語を情緒的に理解することで、意識を広める手助けをすることなのです。」

公共の場に設置される芸術作品は、他作品と類似しないものという市のルールのため、サンフランシスコの像は、同じデザインではなく、この伝統に合わせて作られている。朝鮮、中国、そしてフィリピンの3人の少女像が表され、おばあさんが正義を求める生存者を象徴する形で作られている。

その正義とはどう解釈してよいのか、分からない部分もある。1993年、当時の内閣官房長官・河野洋平氏は、この問題を政府が調査した後、大日本帝国による性奴隷の使用を認め、被害に遭われた方々に心からの謝罪と反省の意を表した。2015年には、日韓は、この問題について「最終かつ不可逆的」に合意し、日本政府は、46名の生存する犠牲者たちへの基金に、830万ドルを寄付することを宣言した。

しかし、その合意は、事前に十分に相談されなかったとして、反対派活動家グループから、批判され続けている。

2017年9月18日、香港で反対デモの前に慰安婦像の足元に貼られる安倍晋三首相と戦時中の帝国旗( 写真提供アンソニーウォレス AFP)

 

最近の問題

皮肉なことに、日本の慰安婦像に対する怒りが、像設置を広めるきっかけになったかもしれない。「(日本政府による)慰安婦像への固執が、活動家たちにとってはその意義を高めた。」と、ジョージ・ワシントン大学国際関係学部のセレステ・アーリントン教授は語る。

韓国内での慰安婦像は、ウィーン条約に違反していると主張する日本との間に、外交的軋轢を生じさせた。1月、日本政府は、韓国釜山に設置された性奴隷の記念碑に抗議する意味で、ソウルから大使を召還させた。

アメリカ国内で設置された慰安婦は、同様の反発を引き起こした。3月、カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像撤去を求める原告側の再審請求を却下した。

目立たないところで、サンフランシスコの慰安婦像に反対する動きも行われた。日本領事館は設置を阻止しようと動いた。報道官によると、サンフランシスコ芸術委員会は、ほとんどが「日本の個人」からのように見える、像設置に反対する大量のメールを受け取った。この問題を報道する記者たちも、何百という同様のメールが送られてきたと不満を述べた。

「それは今年中かもしれない。しかし、日本は未だにこのひどい戦争犯罪を否定し、もみ消そうと動き続け、基本的にはすべての『慰安婦』が亡くなるのを待っているだけである。そうすれば、政府の責任は意識されなくなるからだ。」と、リリアン・シンとジュリー・タン(慰安婦像設置を行った慰安婦正義連盟⦅CWJC⦆の委員であり、元判事)は声明文を発表した。

長きにわたって日系アメリカ人社会が存在するサンフランシスコでは、この話題は、特に敏感である。知られていることであるが、今までの慰安婦像は韓国系アメリカ人が主導して設置されてきたが、CWJCは自身を多民族で構成されているとし、主に中国系アメリカ人によって主導されている。

山田総領事は、日本は「慰安婦問題」を真剣に受け止めていると述べ、被害者との和解に向けて努力し続けていることを強調した。問題は、日本の立場が「一方的な状況」に置かれていることであると、彼は用意された声明文の中で述べた。さらに、「残念ながら、現在の慰安婦追悼の動きの目的は、信ぴょう性のある証拠を出さずに、慰安婦像設置を通し、特定の側だけの解釈を浸透させ固定化させるようだ。」と、総領事は言った。

ここ最近、日本政府は、非軍事的な(文化や価値観等の)ソフトパワーを海外で売り出そうとする、「クールジャパン」というキャッチコピーを宣伝している。しかし、慰安婦像設置をする草の根運動は、軍国主義日本だった暗い過去を世界に知らしめることで、日本のこの努力を邪魔している。

「彼らは日本が世界でどのように見られているかについて非常に敏感である。彼らは、この慰安婦問題が日本の評判を落としていると見ている。」と、『Sorry States: Apologies in International Politics』の著者ジェニファー・リンド氏は言う。「しかし、この問題をなかったことにしようとすればするほど?実際は日本の評判を落としていることになる。」

(海外ニュース翻訳情報局 YY)

 

 

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