【米国・経済】ジョージ・ソロス、アメリカの富裕層:トランプ減税を拒否

9月にトランプ大統領は、中産階級の減税、遺産税撤廃、税制簡素化、法人の減税などを狙った大胆な税改革を打ち出しました。もし、これが実現すれば大きく変化するでしょう。しかし、当初から民主党の反対を招くと予想されていましたが、さらに民主党を支持している富裕層から反対の意見書が提出されました。減税はする必要ないと言う意見書です。この記事は、米国マーケットウォッチからです。
Post 2017/11/14 21:31

Market Watch By Shawn Langlois  Nov.13,2017

「共和党の税制に反対するために、”Responsible Wealth(リスポンシブル・ウェルス)”のメンバーやその他の裕福な個人方々はこの意見書の署名に参加してください。」

400人以上のアメリカ人の大富豪と億万長者がすでにこの呼びかけに答えている。

ワシントンポスト紙によるとこの意見書は、億万長者のジョージ・ソロス、ベン&ジェリーズの創設者、ベン・コーエンとジェリー・グリーンフィールド、そして慈善家のスティーブン・ロックフェラーが署名し、今週、議会に提出される予定である。

「我々は、さらに格差を悪化させるいかなる法律にも反対するよう強く訴えかけます。」と、意見書は述べている。

「税制改革は最低限、中立的な収益でなくてはなりません。ダイナミック・スコアリング*のような仕掛けを使うべきではありません。
我々は、税収の減少が教育、メディケア、メディケイドなどの重要なサービスの深刻な削減につながり、国や地域社会への投資を復活させるわが国の能力を阻害すると深く懸念しています。」

ダイナミック・スコアリング*・・.税制変更等の財政負担を推計する際に、政策変更がマクロ経済に与える影響からのフィードバック効果を織り込む手法(みずほ総合研究所)

この意見書は、ドナルド・トランプ大統領の税制改革案に対し、富裕層上位5%をまとめる「Voices for Progress(ヴォイス・フォー・プログレス)」と協力してきたリベラル組織「リスポンシブル・ウェルス」が手掛けた。

前アメリカン航空のCEOであるボブ・クランドールも署名したとワシントンポストは、報じている。

また、意見書には次のように書かれている。

「減税はばかげていると思います。」
「共和党員は、お金を使う余裕はないと言っていますが、我々裕福な人々には優遇税制措置が与えられています。」

具体的には、リスポンシブル・ウェルスは、議会が、固定資産税を廃止しようしていて、そのことは、大きな相続に利益をもたらすだけであると酷評している。

「不動産税の償還だけで、10年以上の間に推定2,690億ドルが失われます。これは、食品医薬品局、疾病対策センター、環境保護庁に費やす以上のものです。」

ホワイトハウスは、この法案は、米国経済を活性化させることを目的としており、企業はより多くのお金を使うほど多くの雇用と成長を生み出すことができると述べている。または、そういう説もある。

「我々の税制のすべてが投資を促すはずです。」トランプの経済担当大統領補佐官であるギャリー・コーン氏は、先週のインタビューでCNBCに語った。

そして、おそらく批評家が最も共感しそうな言葉で、「我々は、経済全体を通して全体的なトリクルダウン**を目の当たりにしており、それは経済にとって良いことです。」と語った。

トリクルダウン** ・・・経済学の理論の一つで、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」との考えを主軸とする。

しかし、意見書に署名する人達は、そのことをそのような形で見ていない。

「我々は議会に対し、さらに必要な収入を増やすために税金を引き上げ、重要なサービスへの投資を回復させるよう求めます。」
「そうすることが、雇用創出、中産階級の強化、アメリカの経済的成功を確実にします。」
と述べている。

 

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