【米国】米司法省が編集されたMar-a-Lago 宣誓供述書を公開

By Mariko Kabashima

司法省は金曜日、連邦判事の命令に従い、ドナルド・トランプ前大統領のマール・ア・ラゴ邸の捜索に関わる宣誓供述書の編集版を公開した。

公開された32ページの宣誓供述書は大半が塗りつぶされている。

この公開は、ブルース・ラインハート連邦判事が木曜日に設定した正午の締め切り後、まもなく実施された。

この文書の約半分は大幅に編集されていたが、編集されていない部分によると、今年初めに国立公文書館がトランプ氏から回収した15箱のうち14箱に、分類記号が付いた184枚の文書が含まれていることが明らかになった。

また、宣誓供述書は、マール・ア・ラゴに保管されている文書にはヒューミントの「秘密の人的情報源」に由来する情報が含まれている可能性があり、その情報源を危険にさらす可能性があることを示唆している。

司法省は、宣誓供述書の編集を正当化するために使用した文書も編集して公開した。この文書は、「幅広い民間人の証人」の身元が明かされることから保護することを目的としているとされる。

公開された宣誓供述書は、捜索を許可した正当な理由を含む犯罪捜査の新たな詳細を明らかにするものである。

そのうち67枚は 「confidential(部外秘)」、92枚は 「secret(機密)、25枚は 「top secret(最高機密) 」と記されていた。

「最も重大な懸念は、高度に機密化された記録が整理されておらず、他の記録と混在していたことであり、その他にも適切でない(原文だと unproperly)識別が行われていた」と宣誓供述書は述べている。

司法省はまた、「NDI(国家防衛情報)を含む文書や、記録保存義務のある大統領記録が、現在も建物敷地内に残っていると信じるに足る理由がある」と述べている。

司法省は、マール・ア・ラーゴで妨害の証拠が発見されると信じる「相当の理由」があるとも付け加えた。

司法省の宣誓供述書によると、FBIはトランプ氏の倉庫、住居スイート、パインホール、「45オフィス(トランプ大統領のオフィス)」、その他のスペースに国防に関する情報がある可能性があると考えたという。

また、司法省は宣誓供述書の公開に先立ち、宣誓供述書を編集せずに公開すると捜査に支障をきたし、関係する証人や捜査官の安全を脅かす恐れがあるという理由を説明する14ページの文書を公開した。

「政府が編集(黒塗り)した資料は…法執行関係者に加えて、相当数の民間人の証人の安全とプライバシーを守るため、また進行中の捜査の完全性を守り、連邦刑事訴訟規則に違反する大陪審の資料の開示を避けるために、封印したままにしなければならない」と、この文書には記されている。

また、フロリダ州の判事は「宣誓供述書の開示により、証人が『ソーシャルメディアや他の通信チャネルで迅速かつ広範囲に特定され、嫌がらせや脅迫を受ける可能性がある』と判断した」とも記している。

司法省は、裁判所は、宣誓供述書に「『公共の重大な案件』が含まれていると判断し、『現在の記録』は「宣誓供述書全体を封印しておくことを正当化しない」と結論づけたと付け加えている。

先に公開された捜査令状と目録では、FBIがトランプ氏の敷地から、「最高機密 」と記されたものを含む11セットの機密情報を含む約20個の箱を持ち出したことが明らかにされている。

下院共和党は捜索を受け、司法省とFBIにさらなる情報を求めるよう圧力をかけている。
先週木曜日、ブルース・ラインハート連邦地裁判事は、トランプ氏のフロリダ州の邸宅での捜索について、国民ができる限り「多くの情報」を得ることが「非常に重要」であると述べた

ラインハート判事は、宣誓供述書の一部を公開すると、(1)証人、法執行機関、未起訴当事者の身元、(2)捜査の戦略、方向性、範囲、情報源、方法、(3)連邦刑事訴訟規則で保護されている大陪審情報などが明らかになるので、政府は、宣誓供述書の一部を封印するやむを得ない理由・大義を示す責任を果たしていると判断し、宣誓供述書の一部を修正するよう命令書に書いた。

ワシントンポスト紙によると、司法省は、「(宣誓供述書を公開することは)我々がこれから行おうとしている次の捜査の道筋を示し、示唆することになる」と主張し、宣誓供述書の封印を維持することを主張したという。


米司法省の編集されたトランプ前大統領のマー・ア・ラゴ邸の捜索令状に関連する宣誓供述書はこちら

添付された資料は次のとおり

捜査対象物件は1100 S Ocean Blvd, Palm Beach, FL 33480で、さらにSouthern BlvdとSOceanBlvdの交差点近くにあるリゾート、クラブ、邸宅。17エーカーの敷地に約58のベッドルーム、33のバスルームを持つ邸宅。

捜索の対象となる場所は、「45オフィス(トランプ元大統領のオフィス)
」、すべての倉庫、およびFPOTUSとそのスタッフが使用する、または使用できる敷地内の他のすべての部屋または領域で、箱や文書が保管される可能性があり、敷地内のすべての構造または建物を含む。これには、現在(すなわち捜査時)第三者(マール・ア・ラーゴ会員など)が占有、賃借、または使用している領域で、プライベートゲストスイートなど FPOTUS(メラニア婦人の事務所)およびその職員が使用または使用可能でない領域は含まれな い。

Case 9:22-mj-08332-BER Document 102-1 Entered on FLSD Docket 08/26/2022 Page 47の添付資料B

差し押さえるべき財産

以下を含む、合衆国法典第18編第793条、第2071条、または第1519条に違反して違法に所持された証拠、禁制品、犯罪の成果、またはその他の物品を構成するすべての物理的文書および記録。

a. 分類記号が付された物理的な文書、およびその文書が入っている容器/箱(その他の内容物を含む)、ならびに上記の文書および容器/箱とひとつににまとめて保管または発見されているその他の容器/箱。

b. 国防情報または機密資料の検索、保存、送信に関するあらゆる形式の通信を含む情報。

c. 2017年1月20日から2021年1月20日の間に作成された政府記録および/または大統領記録

d. 政府記録および/または大統領記録、あるいは分類記号の付いた文書の故意の改ざん、破壊、または隠蔽の証拠となるもの。

Foxニュース(右派メディア)は、宣誓供述書の公開に使われたウェブサイトが、文書公開後すぐに一般人の多量のアクセスで何度もクラッシュしたと報じた。

報道は広範囲にわたり、当初はバランスよく行われ、いくつかの主要な報道機関がライブ中継を行った。
一部の報道では、宣誓供述書が「ついに」公開されたと伝えている。


トランプ派の動き:

ここ数日、トランプワールドでは捜索に関して変化が起きている。特に保守派のジョン・ソロモンが5月10日に国立公文書館からの手紙を公開し、トランプが退任後に700ページ以上の極秘資料を持ち出していたことを明らかにした後だ。

この書簡には、トランプ氏の弁護士と政府との間の広範なやり取りも示されており、その中で政府は、トランプ氏が意図的に誤解を与えているか、十分に情報を提供していないと判断した模様。
FBIとNARA(米国立公文書記録管理局)は、トランプ氏の弁護団の主張とは異なり、この資料には行政特権が及ばないと判断している。

多くのトランプの盟友たちは、当初は捜索への批判に強く傾いていたのに、ここ数日はおとなしくなっている。こうした事実がより多く公開されるにつれて、トランプ氏の顧問やその周辺の人々の私的な会話に新たな倦怠感が浸透し、捜査に何らかの正当性があるのではないかという思いが強まっている。

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、金曜日の午後のブリーフィングで、「これに関してコメントするのは適切でないと考えている」と述べた。「これは司法省が主導する独立した調査であり、司法省が独立性を持つことは大統領にとって重要なことだと考えています。」

そしてトランプ元大統領は、自身のSNS、Truth Socialに次のように投稿した。

宣誓供述書は大幅に編集されている。FBIと司法省による
完全な広報活動である「核爆弾」、または文書の展開に関する
我々の密接な協力関係については何も言及していない。 –
私たちは彼らに十分に提供した。ブルース・ラインハート
判事は、私の家への侵入を絶対に許可するべきではなかった。
彼は2ヶ月前、皆さんの大好きな大統領である私への敵意と憎悪
で、私の事件の一つから身を引いた。何が変わったのか?
なぜこの件では辞退しないのか?
オバマは今、彼をとても誇りに思っているに違いない。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

H/T Washington Post  Axios

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