【米国】議会襲撃後にトランプを貶した共和党大物の音声流失

By Mariko Kabashima
米国の1月6日の国会議事堂襲撃の数日後、共和党の大物である下院少数院内総務のマッカーシーがトランプ大統領を貶していた音声が公開されました。こちらについての記事をAXIOSからご紹介します。


《引用記事 AXIOS 2022/04/28》

下院少数党院内総務ケビン・マッカーシー (共和党、カリフォルニア州選出) が1月6日の米同時多発テロ事件の数日後に行われた電話会議の音声がThe New York Timesによって公開された後、米連邦議会で議論の的になっている。マッカーシー氏は、この電話会議でトランプ前大統領を中傷し、危険な暴言を吐いた会議員数人を非難していた様子がわかる。

大局的にみる
トランプ大統領の最も強力な支持者の1人であるマッカーシーは、11月の中間選挙後に下院議長に就任する見通しだ。しかし、成功への道は保守派の強固な支持にかかっている。あまりにも多くの共和党議員から離反者がでると、彼のチャンスは台無しになるかもしれない。今回の音声テープの影響で、これまでに何が起こったかを見てみよう。

4月21日:
『ニューヨーク・タイムズ』紙の2人の記者が、彼らの著書『This Will Not Pass』の抜粋を掲載している。この本では、2021年1月10日にマッカーシーが、1月6日の暴動についてトランプ大統領に辞任を促すつもりだと述べたことを詳述。他の共和党幹部との電話会談について詳しく説明されている。この共和党指導者はこのアカウントを否定し、「完全に誤りで間違っている」 と述べた。

・その夜遅く、記者のジョナサン・マーチンとアレクサンダー・バーンズは、レイチェル・マドー・ショー (Rachel Maddow Show) でマッカーシーがリズ・チェイニー下院議員 (共和党、ワイオミング州選出) らとトランプについて話しているところをテープに録音した。

マッカーシー: 「リズ電話中?」

チェイニー: 「ええ、ここにいます。ありがとうケビン。…彼が辞任するかもしれないという話を聞いていますか? そうなるかもしれない理由はありますか?」

マッカーシー:「私は、彼といくつか話し合った。私の直感ではNoです。今夜、彼とその話をしようと真剣に考えています。ここ数日、彼と話していない。私が知っている限りでは、つまり、あなた方も彼のことをご存知でしょう。彼が引き下がると思う?でも彼に電話しようと思っています。 」

1月10日の通話内容の抜粋。


主要な反応:
マッカーシーは、テープについての電話でトランプと話す。トランプは、音声について動揺している様子はなく、マッカーシーが実際に彼の辞任を求めなかったことに感謝している。

・トランプ大統領はその後、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、この録音によってマッカーシーとの関係は損なわれていないと述べている。「率直に言って、それは殆ど賛辞です。 」とトランプ氏。「彼らは自分たちが間違っていることに気づき、私を支持してくれた」 。

4月26日:
『New York Times』紙は、2021年1月10日にかけられた別の電話の音声を公開した。マッカーシーは極右議員の発言が 「国民を危険にさらしている」 と懸念を表明。彼は、一部の議員がTwitterにアクセス権を喪失に支持を表明。

・マッカーシー氏はその後、下院共和党幹部との短い会合で、この音声はより重要な問題に焦点を当てているため、議員を分断させてはならないと述べ、この意見書の重要性を一蹴した。

「事態は深刻です、国が狂っている。過去を振り返り、我々が何かを引き起こしたとか、我々が何かを見落とし、誰かが傷ついたとは思いたくない」

公開された2本目の音声でのマッカーシー


主な反応: 
下院共和党員はマッカーシーと肩を並べているマット・ゲッツ下院議員 (フロリダ州選出、共和党) は、2本の音声テープについてリーダーを激しく非難し、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員 (ジョージア州選出、共和党) を含む他の議員は公に彼への忠誠心が揺らいでいる

・水曜日の朝の共和党会議で、マッカーシーは過去の発言を擁護し、公開されたものは電話会議の不完全な状況を描いており、仮定の話をしていたのであり、公の場でメンバーを貶めるようなことは決してしないと主張。

・彼は一般の共和党員から総立ちの拍手喝采を受ける。

何を見るべきか:
音声をリリースした2人のニューヨークタイムズの記者は、彼らが 「当時のテープから多くのことがわかる」 と語った。

New York Timesのジョナサン・マーティンはMSNBCレイチェル・マドーに対し、 「当時の話は、今多くの人が言っている話とはまったく異なる話になると思う」 と述べた。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

この記事が気に入ったらシェアをお願いします。