【バングラディッシュ】バングラディッシュ外相:中国は「お金を籠」でもってくる

By Mariko Kabachima

インドと深いつながりがあるバングラディッシュが、中国からの資金を充てにしており、中国との距離が縮まっているという記事です。
ちなみに、バングラデシュは南アジアにおけるイスラム圏国家の一つであり、バングラデシュの人口は1億5,940万人で、人口密度の高さは世界一。

こういう記事を読むと、世界は日々、秒単位で動いており、今までもっていた認識が全てではないということがよくわかります。

この記事は、バングラディッシュのバングラデシュクロニクルからご紹介します。


《引用記事 バンフラディッシュクロニクル 2022/04/05》

バングラデシュはインドと深いつながりがあるにもかかわらず、中国との距離を縮めている。南アジアの小国の経済発展のために北京が提供する「baskets of money(お金の入った籠)」のためだと、アブドゥル・モメン外相は火曜日、ワシントンで聴衆に語った。

モメン外相は、今週アメリカの首都を訪れ、両国が外交関係樹立50周年を迎えるにあたり、アメリカ政府高官と会談した。世界の舞台で、バングラデシュはすべての国と友好的であろうと努力する一方、アジアの大国であるインドや中国を含む大国との関係を慎重に調整すると、彼は米国平和研究所に出席した際に語った。

バングラデシュ人は、1971年のパキスタンとの戦争でインド人が「独立のために血を流した」ことを決して忘れないだろう。しかし、バングラデシュは今日、経済発展のためにインドの地域のライバルである中国に大きく依存していると、モメン外相。次のようにコメントしている。

「しかし、バングラデシュは現在、経済発展のために、地域のライバルである中国に大きく依存している。中国は、手頃な値段で積極的な提案をしてくるのです」

中国と比較すると、インドはバングラデシュに多くの経済援助を提供する余裕がない、とモメン外相は述べた。

中国は、70カ国に鉄道、港湾、橋梁のネットワークを構築する推定1兆ドル超のインフラ計画「一帯一路構想」を打ち出しており、バングラデシュのインフラ事業における最大のパートナーである。

51年前、パキスタンから分離してバングラデシュという国が誕生した戦争の際、実は中国はパキスタンに味方し、バングラディッシュの当初の国連加盟への取り組みに拒否権を発動した、とモメン氏は指摘する。

そして、バングラデシュが過去の苦難を乗り越えて前進してきたことを指摘した。

しかし、モメン外相は、1971年にパキスタンがバングラデシュの自決を求める声を抑えて軍事弾圧を始めたとき、東パキスタンから逃れてきた1千万人の人々をインドが受け入れたことを評価する。

「インド政府だけでなく、一般の人々も私たちを支援し、助けてくれました。」

超党派でバングラデシュの外交官トップは、バングラディッシュ政府は大国との関係において「超党派的な」アプローチをとっていると語った。

「インドや中国にはそれぞれの問題があり、それを抱えて生きていけばいい。我々はその問題に介入しない」と述べた。

月曜日に国務省でアメリカのアントニー・ブリンケン氏と会談した際、モメン外相は、過去50年にわたりバングラデシュを支援してきたアメリカを賞賛した。

「米国は、悪いときも良いときも、常にバングラデシュの友人であり、私たちは明るい未来を期待している、そのために私はここにいるのだ」とモメン外相。

しかし、1971年の戦争では、ニクソン政権はパキスタンを支持した。

司会のテレシタ・シャファーさんは、モメン外相に、強制失踪や超法規的処刑の疑いがあるとして、警察のエリート部隊「即応大隊(Rapid Action Battalion: 訳注 バングラディシュの治安部隊)」を米国が制裁したことについて話したか、と尋ねた。

モメン外相は、「RABの行き過ぎた行為に悩まされてきたが、何年もかけて成熟してきた」と答えた。

バングラデシュ政府関係者は、米国が治安部隊を制裁しようとする動きに怒りを表明している。先週、ハシナ首相は「忌まわしい」制裁を批判し、米国は「何の落ち度も理由もない」RABに制裁を課したと述べた。

モメン外相は、制裁は重要な問題であると指摘した。

「私はすべての会議でそれを提起しています。」

また、「彼らのおかげで、バングラデシュにテロがなくなった」と、RABの警官を賞賛した。

司法省が定めたルールで動くことで、「事態は劇的に改善した」という。

司法省が定めた規則に従い、「事態は劇的に改善した」と述べ、「司法による処罰制度がある」とし、270人の警官が懲戒処分を受けたことを明らかにした。

それでも、「制裁のために、若者はRABに入ることに興味を示さない」とモメン外相は述べた。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 文・翻訳)

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