【衝撃】中国は監視能力を増強するために市民の音声のデータベースを構築している

中国は、国民を監視するために声紋認証のデータを自動的に集めるシステムを構築しているという記事を紹介します。 この記事は、米国タイムからです。
Post 2017/11/01  12:31

Time   By Joseph Hincks October 23, 2017

月曜日に発表された国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告によると、中国政府は標的にした市民から何万もの「音声パターン」サンプルを集め、国の声紋認証データベースに投入している。

まだ開発中と考えられている自動システムは、電話での個人の音声やそれ以外の会話を抽出するためのデータベースに使われ、政府のすでに拡大した監視能力を強化しているということである。

報告によると、このシステムはiFlytechと呼ばれる中国の音声認識と人工知能の専門家によって開発されている。これは識別番号やそれ以外の個人情報だけでなく、指紋やDNAサンプルのようなすでにある生体認証情報に別のスポークを加える。

中国はどれくらいの期間、音声データを集めているのか。

生体認証を記録することは、法の執行措置において世界の共通のツールであり、日本のように、表向きには反テロリズムの手段として、入国時に外国人の指紋を採取する国さえある。中国では、約4,000万人のDNAと10億個以上の顔がすでに公安のデータベースに記録されている。

それと比べれば、大規模な生体認証音声認識は揺籃期にいる。中国公安部は2012年にデータベースを試験的に始め、2014年にはプログラムの規模を拡大した。国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチは現在の数を示していないが、公安がこの計画を試験的に導入している省のうちの1つでは、2015年までに70,000件の音声パターンを集めたと言っている。2016年に国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチは、1,100万人の少数民族のウイグル人が暮らす反体制の強い地域である新疆ウイグル自治区を含むその他のいくつかの省で、音声認識システムの手掛かりを追跡調査した。

中国はなぜ市民の音声を集める必要があると言っているのか。

「法に違反しているか犯罪を犯している」疑いがあれば誰でも音声パターンやそれ以外の生体認証データを集めることが中国公安には許可されている。しかし国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチは、2017年を通じ公安が一般の市民から音声サンプルを集めている多数の事例があり、たとえば新疆ウイグル自治区でパスポートの申請をした申込者が音声サンプルを提出するように求められたといった事例が少なくとも1つはある、と言っている。国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、なぜそれが必要であるかの概要を説明した政府の施策文書はまったく公開されていない。

メディアによる政府の報告では、音声認識ソフトウェアが詐欺や麻薬密売や誘拐や恐喝といった事件の解決を支援したと主張している。この報告では、こういったシステムは対テロリズム対策の役目を果たしていくとも述べ、「安定性の維持」という目的のために音声認識ソフトウェアを適用していくとも言っている。

なぜ人権団体は懸念しているのか。

1つには、対テロリズム対策や「安定性の維持」という言葉が中国では広い範囲におよび、過去には当局が政治的な反対意見の無効を容認することに利用した。
もう1つには、誰が音声サンプリングの標的になり、どのようにサンプルが使われるか不明確であることだ。「抑制のない監視と批判者に対しては報復するという長い歴史がある国で、当局はこのデータをたやすく悪用しうる。」と、国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国局長、ソフィー・リチャードソンは言う。
中国政府の増大する監視能力は、反対意見の締め付けの広がりと一致する。中国は、体制反対派の動きを公然と追跡しており、活動家の家の外にCCTVカメラを設置し、ソーシャルメディアで政府を批判する人を投獄し、自由にインターネットにアクセスできるVPNを厳しく取り締まったくまのプーさんさえ禁止した
「中国当局の大量の監視ツールは増え続けている一方、プライバシーの権利は遥かに遅れている。」と、リチャードソンは言う。「中国当局は、法的な保護が明確で、明らかに信頼できるようになるまでは、極めて気密性の高い生体認証データを集めることを即座にやめるべきだ。」

(翻訳 T・O)

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