【米国】ローマ法王、中国の宗教問題でポンペオとの面会は拒否、ブリンケンとは「友好的な雰囲気」で面会

By Mariko Kabashima 2021/06/30

バイデン政権のブリンケン国務長官がローマ法王と会談したことを、ボイスオブアメリカの中国語版が報じていますのでご紹介します。

バイデン政権とトランプ政権を比べてみると、外交問題の政治家として、プロと素人ぐらいの差があるなと感じます。
やはりバイデン大統領は、ほぼ50年のキャリアのあるプロの政治家。
色々な意見があると思いますが、米国の大統領は米国の国益のために政治を行っているので、日本から見える風景と実際とは若干違うかもしれないですが。
世界の外交においては、パブリックリレーションズの観点からみてもそう思います。

前大統領のトランプは、パートナー国を脅し、ロシア、北朝鮮、中国のリーダーたちにはオベッカを使うトランプ手法でしたが、いくらマスコミがお膳立てていても実質的には国際外交の場では通用しないということがはっきりしました。

余談ですが私は、数年前北京のカトリック教会に行きました。カメラも当然設置されていますが、ミサの内容は他の国々と全く一緒で、寧ろ、日本より熱い信仰心を感じさせるミサで驚きました。
中国国内の色んな人がきているらしくて、ウイグル系の様な人も見受けられました。
この様子をみて、バチカンの強かさも感じました。
最終的に勝つことはどんなことかというものを目の当たりにした気分でした。



Voice of America 中国語版 2021/06/29》

ワシントン発ー

米国のジョン・ブリンケン国務長官は、2021年6月28日(月)にバチカンを訪問した際、教皇フランシスコをはじめとする教皇庁の高官と会談し、その際、中国における人権や信教の自由の抑圧について議論した。

ローマ法王庁のブルーニ報道官は、ブリンケン国務長官とローマ法王との会談は「友好的な雰囲気の中で行われた」と述べた。
昨年10月、マイク・ポンペオ米国務長官(当時)は、中国における宗教問題への聖座の対応を批判されたため、バチカンを訪問した際に法王に会うことができなかった。

国務省のプライス報道官は声明の中で、ブリンケン長官はフランシスコ法王に対し、地球規模の課題に取り組むために教皇庁と密接に協力するという米国のコミットメントを再確認したと述べている。

声明によると、両者は中国についても議論したが、その詳細は明らかにされなかった。 プライス氏によると、ブリンケン国務長官はバチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿および聖座外務大臣のギャラガー大司教とも会談し、「中国における人権と信教の自由の問題について話し合った 」とのこと。

昨年、10月初旬のバチカン訪問を前に、マイク・ポンペオ米国務長官(当時)は、中国当局による深刻な人権侵害や信教の自由に対する弾圧があるにもかかわらず、教皇庁がバチカン・中国間の司教任命協定の更新にこだわっていると批判する記事を発表し、バチカンの不快感を買った。 ピエトロ・パロリン枢機卿は、フランシスコ教皇がこの記事に「驚いた」と述べ、教皇庁に対する意図的な侮辱であるとみなした。

その後、バチカンはポンペオが9月30日にフランシスコ法王と面会することを正式に拒否し、その理由として「法王は米国の選挙を控えた政治家を迎え入れることはない」とした。 同時に、中国との更新合意に向けたバチカンの努力を阻止しようとするポンペオの試みをバチカンははねつけた。

バチカン関係者は、バチカンは中国との対話を重視した長年の戦略を持っているとし、バチカンと中国の司教任命に関する協定の更新は、中国が教皇の同意を得ずに一方的に司教を任命したことによる中国教会の分裂の悪化を避けるために必要であると述べている。

中国人司教の任命権は、長年、バチカンと中国の関係を悩ませてきた。 聖座はローマ教皇が使徒の後継者を任命する神聖な権利を持っていると主張し、北京は聖座が司教を任命することは外国が中国の主権を侵害することだと考えている。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 翻訳・文)

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