日本人はトランプのヤバさを直視しない(1)

海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子

NOTE 2020/10/28


バイデン勝利の予想をしてから私の身の回りで色々なことが起きます。

現政権の大統領であるトランプの実務の落ち度を指摘すると、それは偏っているというクレームがきます。それから、バイデンについて疑惑をもっとやらないのか?というリクエストも来ますね。

私からみると、なんだか共和党の広報のような論壇の意見だけが正しいと思いる人がこんなにいるのかぁといった印象を持ちます。

しかし、現政権の実務をチェックするのは当たり前のことではないですか?
それをチェックし、発信するのは、現政権の現状を把握するためには必要なことではないですか?

でも、これを出すと必ず親トランプは偏っているといってきます。

同様に主流メディアがこれを報じると、トランプはフェイクメディアだとレッテルを貼り、トランプカルト(米国で過激な親トランプをこういいます)を扇動し、メディアを叩き、ごく当たり前の方法、記者会見などであたりまえの説明さえしませんし、記者を罵倒し、ただただフェイクよばわりするのです。つまり、条件反射的に信じた信者を扇動し、行動させるのです。
これについては怖いぐらい。これがいつもパターンです。

これこそがメディアのウォッチドッグ的な役割を排除する動きになっているのですけどね。まさしく、権力者が言論の自由を奪う行為です。

私が、最近、トランプの記者会見を翻訳しなくなったのはこういう理由があります。そもそもホワイトハウスの広報がトランプの選挙キャンペーンになっているのもおかしいと思っていますしね。
米国民の税金で自分の選挙運動をやっているわけですから、公私混同も甚だしいです。

そして、大統領の記者会見についても、数字のウソなど嘘が多すぎるのですよ。私もわかっていて、こういう嘘は報じたくありませんからね。

それはペンス副大統領も同じで、トランプほどではないですが、スピーチでは数字のウソを平気でつきます。コロナの対応の時にはひどかったですよ。

そういえば、スピーチで何度もISISを撲滅したと言っていましたが、これもそうではありませんね。私もペンスの翻訳で何度これをだしたか。
このような状態をみるとホントに白けます。

こういう事態で、これを信じてしまった国民は不幸です。

実際、トランプ政権ではホワイトハウス事態がクラスターとなり、トランプラリーでコロナ感染者が急増しています。
いったい、どこの国に首脳部がコロナのクラスタ―化にしてしまうような事態を引き起こすような国があるのでしょう。
それこそ安全保障の面からも危い状態ではないですか?

CDCのルールに従わず、感染を広げているのはトランプ自身ではないですかね?

こういう指摘というのは、単に私が親バイデンだからそういうのだろうといったレベルの話ではありません。

事実は事実ですから、それを見て日本人である私達は、米国をどう見て行けばよいかという話にはならいのですか?
私は、その考える材料を提供しているにすぎないのです。

よくトランプのラリーの熱狂ぶりとバイデンのラリーの静かさをみて、国民の支持度が違うと言ってバイデンを馬鹿にしたような人がいますが、それも違います。

バイデンは、感染予防のルールに従ってラリーを行なっているだけです。現に、共和党は個別訪問を行なっていますが、民主党は感染防止のためにCDCのルールに従い戸別訪問はやっていません。

どちらが米国民を危機にさらしているのでしょう。

バイデンについての疑惑は、これは完全にトランプの選挙戦のやり方ですね。2016年の時と同じです。

人々が生理的な嫌悪感をもよおすような写真、ビデオ、セックス、ドラッグ、小児性愛などのQアノン系のトピックを盛り込んできます。この写真やビデオの真偽が定かでないのにもかかわらず。
これを積極的に拡散するのは、ロシアに近い親トランプメディア。

それに反応したトランプカルトが拡散し、人々の嫌悪感を煽るのです。

こういう戦い方をして、トランプは2016年の選挙戦を勝ち抜いてきました。当時は、この論調を主流メディアでも信じてしまい、私も信じてしまいました。
よくトランプは主流メディアガーといいますが、CNNだってこの論調に貢献しましたからね。

しかし、2016年の選挙戦については、これが仕掛けられたデマだったことは、トランプの選挙アドバイザーのロジャー・ストーンが証言したとおりです。このストーンは有罪になり実刑判決がおりましたが、トランプが大統領権限で恩赦で無罪にしました。こういうことは絶対にやってはいけないことではないでしょうか。

バイデンは少なくともこういう汚い選挙戦はやりません。
おそらく同じような論調の戦い方をするとすれば、トランプの方がゴロゴロでてくるでしょう。
なんといっても、あのエプスタインと盟友だったのですからね。現在普通に発表されているトランプの写真を使えば、すぐにでも同じような選挙戦をやれるのに、バイデンサイドはこういった品のないことはやりません。

こういうことを事実かどうかわからないことを「最初にバイデンに疑惑ありき」で疑惑を報じないのは、まともなメディアの良心だと思いますけど。
おそらく確信がとれものだったら当の昔に報じていますよ。

これは「メディアの報じない自由」にあたりますか?
これをメディアの偏りと言われるのはどうなのかなあと思います。

そして、私が一番、トランプについて懸念することは司法に関するトランプの動きについてです。

こちらについては、長くなりましたので次の記事で書きます。

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