【米国衝撃:全翻訳】ジェームズ・マティス前国防長官声明文:トランプ大統領の分断を非難

ジェームズ・マティス前国防長官は、トランプ大統領、ワシントンD.C.の「軍事化」、ラファイエット広場からデモ隊を追い出した「行政権の乱用」を糾弾し、3年間にわたって国を「分断」しようとしてきた大統領の結果を国が目の当たりにしていると主張する衝撃的な声明を発表しました。

その内容はかなり衝撃的なものです。

中東からの米軍撤退をめぐる大統領との意見の相違の中、2018年末に国防長官を辞任した元海兵隊の4つ星の大将の発言としては、これまでで最も力強い声明です。

マティス長官のこの声明文は、今年の大統領戦で世論を大きく動かすのではないでしょうか。
マーケッターとして優秀なトランプ大統領は、2016年の大統領選では勝利を勝ち取りました。2期目の今な困難な状況を上手く乗り切ることができれば、歴史にのこる素晴らしい大統領として残るでしょうが、この困難な状況により強いリーダーシップと人間性が問われることになった今、米国民にどう映るのでしょうか。

マティス前国防長官の声明文を全翻訳しましたので、是非ご覧ください。

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【追記 2020/06/040 12:50】
この動きには注意することがいくつかあります。
元NSCのリッチ・ヒギンズが興味深いことをツイートしています。
しかし、同氏の発言にも注意した方が良いです。なぜなら、同氏はワシントン・タイムズの執筆者であり、ワシントンタイムズ、ワシントンジャーナルはこの論調だからです

マティスが沈黙を破ったので 私も沈黙を破ろう
マティスは移行チームから解雇された人物を介して政権にアクセスしています
解雇の理由は?彼は北京で中国とベトナムの共産主義者と会っていた


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後もう一つ気になることがあります。それは、ほぼ同時期に、オバマ前大統領の『きれいな』スピーチが全世界で拡散されたということです。
これをどう取るか、より慎重に考えていくべきでしょう。



CBS NEWS  2020・06・03

以下はマティス氏の声明全文です。

今週のイベントを見て、私は、怒り、ぞっとしたました。「法の下の平等」という言葉は、連邦最高裁判所の判例に刻まれています。これは正確に抗議者たちが要求していることです。それは健全で統一された要求であり、我々皆が支持するべきものです。我々は少数の犯罪者たちに気を取られてはいけません。抗議行動の定義は、何万人もの良心的な人々が、我々は人々としての価値観と国家としての価値観という我々の価値観に従っていると主張していることです。

私は、50年ほど前に軍隊に入ったとき、憲法を支持し擁護するという誓いを立てました。どんな状況であれ、同じ誓いを立てている軍隊が、同胞市民の憲法上の権利を侵害するよう命令されるとは夢にも思いませんでした。——まして、選出された最高司令官に奇妙な写真を提供し、軍指導部が傍らに立っているなんて。

我々は、制服を着た軍隊が「支配する」ことを求められている都市を「戦場」と考えることを拒否しなければなりません。国内では、非常にまれなケースですが、州知事から要請があった場合にのみ、軍隊を使用すべきです。ワシントンD.C.で見たように、我々の対応を軍事化することは、軍と市民社会の間の紛争、すなわち、偽の紛争を引き起こします。それは、制服を着た男女と、彼らが守り、彼ら自身がその一部となっている社会との間の信頼された絆を確実にする道徳的根拠をむしばむものです。

公共の秩序を維持することは、地域社会を最もよく理解し、責任を負う文民の州と地方の指導者にかかっています。

ジェームズ・マディソンは連邦主義者No.14(Federalist 14 )に、一握りの軍隊と団結したか、あるいは一人の兵士を持たずに団結したかにかかわらず、10万人の退役軍人を戦闘準備ができており、アメリカが分裂したときよりも、外国の野心に対してより厳しい姿勢を示している。」と記しています。

それは、法の前にすべての人が平等であることを保証することから始まります。

ノルマンディー侵攻の前に軍が部隊に与えた指示は、兵士たちに「我々を破壊するためのナチのスローガンは… 『分断と征服 』でした。 我が国アメリカの答えは『団結は力なり(In Union there is Strength)』を思い起こしました。この危機を乗り越えるためには、我々は団結を呼び起こさなければなりません。我々は政治よりも我々市民の方が優れていると確信しています。

ドナルド・トランプは、アメリカ国民を団結させようとしない―試みたふりさえしない―私の今迄の生涯の中で最初の大統領です。その代わりに彼は我々を分断させようとします。我々はこの意図的なたくらみの3年の結果を目撃しています。我々は成熟したリーダーシップがない3年の結果を目撃しています。我々は市民社会に内在する強みを利用して、彼なしで団結することができます。過去数日が示したように、これは簡単ではないでしょう。しかし、わが国の同胞の市民たちに責任があります。我々の約束を守るために血を流した過去の世代にも、我々の子供たちにも。

我々はこの試練の時をより強く、新たな目的意識とお互いへの敬意を持って乗り越えることができます。パンデミックは、地域社会の安全のために究極の犠牲を払うことをいとわないのは、わが国の軍隊だけではないことを示しています。病院、食料品店、郵便局などにその他にいるアメリカ人は、同胞の市民と自国のために命を懸けていいます。我々は、ラファイエット広場で目撃した行政権の乱用よりも優れていることを知っています。憲法をあざ笑う公職者に対しては、責任を問うべきです。同時に、我々はリンカーンの「良き本性」を忘れずに耳を傾け、心を一つにしていかなければなりません。

新たな道、つまり建国の理念の原点に立ち返る道を選択してこそ、我々は再び国内外から称賛され、尊敬される国となれるのです。

ジェームズ・マティス

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

※ 無断転載厳禁

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