台湾がWHOへのメールの内容を公開した後、アメリカが台湾のこの１２月のメールを真剣にとりあつかわなかったことについてWHOを強烈に批判しました。

そういったことを受け、WHOのテドロス事務局長は、テドロス氏が8日のジュネーブでの記者会見で「3カ月以上にわたり脅迫や人種差別攻撃を受けており、攻撃は台湾から来ている」と発言。

これに対し台湾は、これは中国共産党の工作員たが台湾人になりすましやっていることだと否定。

このような状況下での台湾のこの動きは本当に早いです。
直ぐに保健相のほうから、このメールについての５つの理由について詳細を発表（これについては、当サイトのBLINKS! TVで明日公開予定）、蔡大統領は、米国のタイムに手記を書きました。

この内容が実に素晴らしいです。
政治家の知性を感じます。
蔡大統領は、この窮地をプラスに変えて、国際社会に国として認められてない台湾のイメージアップに大きく貢献しています。
わが国の政治家たちにもこうあって欲しいと本当に思います。

全文翻訳しましたのでぜひごらんください。

（海外ニュース翻訳情報局　樺島万里子）

台湾は回復力のある島です。何世紀にもわたる苦難の歴史の中で、私たちの社会は困難な状況に対処し、適応し、生き抜くことを余儀なくされてきました。私たちは、国家として共に困難な時期を乗り切る術を見つけてきましたが、COVID-19パンデミックも同様です。ウイルスの感染力が強く、感染源に近いにもかかわらず、私たちは大規模な流行を防ぐことができました。4月14日現在、確認された症例は400件未満です。

この成功は偶然ではありません。医療関係者、政府、民間企業、社会の努力の賜物で、わが国の防衛力は強化されました。
2003年に発生したSARSの痛ましい教訓は、数十人の命を奪った台湾に傷を残し、政府と国民は早くから厳戒態勢に入りました。昨年12月、中国で新たな呼吸器系の伝染性疾患の兆候が見られるようになり、武漢からの入国者の監視を開始しました。1月には中央疫病対策本部を設置し、予防対策を行っています。また、渡航制限を導入し、リスクの高い旅行者の検疫プロトコルを確立しました。

1月21日に台湾で最初の感染者が発見されたことを受けて、我々は厳密な調査を行い、すべての患者の渡航歴や接触歴を追跡し、集団感染が発生する前に感染を隔離し、封じ込めることができました。陳時中衛生福利部部長（保健相に相当）を筆頭とする公衆衛生の専門家のたゆまぬ努力に加えて、情報を得た市民も自分たちの役割を果たしてくれました。民間企業、フランチャイズ店、アパートのコミュニティは、体温監視と消毒のステップを開始し、公共空間における政府の努力を補完しています。

大量のパニック買いを防ぐために、政府は早い段階から商品の高騰を監視し、医療用マスクの生産と流通を引き継ぎました。経済部は、民間の工作機械メーカーや医療機器メーカーの協力を得て、手術用マスクの追加生産ラインを調整し、生産能力を倍増させました。

技術専門家、薬局、コンビニエンスストアの協力を得て、マスクの配給システムを考案しました。これにより、病院と一般市民の両方にマスクを安価に提供することができるようになりました。また、政府と民間企業が連携し、「チーム台湾」と称して、深刻な被害を受けた国々に物資を寄付することも可能になりました。

台湾は世界でもトップクラスの医療制度を有しており、優れた研究能力と透明性の高い情報を積極的に公開しています。実際、台湾は自国内でコロナウイルスの封じ込めを効果的に管理してきました。しかし、世界的に見れば、COVID-19は人道上の大惨事であり、すべての国が協力して取り組む必要があります。世界保健機関 (WHO) や国連から不当に排除された台湾ですが、製造業、医療、技術などの強みを生かし、世界と協力していきたいと考えています。

地球規模の危機は、国際社会の構造を試すものであり、私たちを窮地に陥れ、引き裂く恐れがあります。今まで以上に、この地球規模のネットワークのすべてのつながりを解明しなければなりません。私たちお互いの違いにとらわれず、人類の利益のために協力しなければなりません。COVID-19との戦いは、世界中の人々が総力を結集して取り組む必要があります。

台湾は苦難を経験しています。その回復力は、最も困難な障害を乗り越えるために団結しようとする私たちの意志から生じています。これこそが、台湾が世界と分かち合うことのできることだと思います。人類が共に困難を克服する能力は無限です。台湾は、助けることができます。

蔡英文台湾大統領

（海外ニュース翻訳情報局　樺島万里子）