【中東:UAE】ホルムズ海峡が不安定になれば、西側の石油供給は危険にさらされる可能性

<RT 2019/06/13 >
13日に、マーシャル諸島船籍の石油タンカー「フロント・アルタイル」と、日本の海運会社が保有するケミカルタンカー「コクカ・カレイジャス」の2隻が受けた攻撃について、ロシア・トゥディがどのように報じているかご紹介します。ご参考までに。

(トップ画像: BS Halpern(T. Hengl; D. Groll)/  ウィキメディア・コモンズ)


<RT 2019/06/13 >

イランがホルムズ海峡での石油タンカーへの不審な攻撃と表現したことを受けて、 国際タンカー船主協会(インタータンコ)は、 西側向けに指定された原油の積み出しが危険になる可能性があると警告した。

ロイター通信が引用した声明の中で、同協会が「世界の海上輸送による原油の約30%が海峡を通過するという事実を忘れてはならない。この海域が安全でなくなれば、西側世界全体への供給が危険にさらされる可能性がある。」と述べた。

インタータンコは、「加盟国船舶に対する2度にわたる攻撃」を受けて、ホルムズ海峡を航行する乗組員の安全についても懸念を表明した。

これに先立ち、ペルシャ湾とホルムズ海峡で隔てられているオマーン湾でも、タンカーが襲撃されたという。1隻には魚雷が命中したとされるが、詳細は不明。

遭難したタンカーにはイラン船が真っ先に到着し、アルタイル戦線やコクカ・クーラージャスから44人の船員を救助した。

イランのジャバド・ザリフ外相は、日本の安倍晋三首相が40年以上ぶりにイランを公式訪問している間に 「日本関係の船舶」 が標的にされたことから、事件の疑念を抱かせると指摘した。

「不審者は、今朝起きたことに説明していない」 とイランの外交官はツイッターに書いた。

イランのハサン・ロウハニー大統領は、「慎重に扱うべき」ペルシャ湾地域の安全保障はイスラム共和国にとって非常に重要であると述べた。

原油の供給不安が高まっている。WTIとブレントの先物相場は、12:08(グリニッジ標準時)現在、それぞれ4%近く上昇し、バレル当たり53.07ドルと62.31ドルで取引されている。

このニュースは中東の株式市場にも悪影響を及ぼした。湾岸協力会議(GCC)加盟国が発行した債券が下落した。この中には、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などが含まれており、緊張の高まりを背景とした地域金融市場の不安が高まっている。

キャピタル・エコノミクスのシニア新興市場エコノミスト、ジェイソン・チュベリー氏は、ロイター通信に対し、「たとえ直接的な紛争が最終的に回避されたとしても、地政学的緊張の高まりは、地域の金融市場への逆風として作用し続けるだろう。」と述べた。また、現在の状況では、投資家はアジア地域の資産を保有するために、より高いリスク・プレミアムを要求する可能性がある、と付け加えた。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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