【イスラエル:防衛】国をあげての新サービス:サイバー攻撃をダイヤル119で対応

Post by Mariko Kabashima 2019/02/08 0:21  update 02/09 1:46

約871万人というちょうど大阪府と同じくらいの人口を持つイスラエル。

地政学的にも歴史的にも紛争の多い国だからこそというのもありますが、イスラエルの防衛には見習うべきところが大きいです。

同国では、サイバー攻撃による被害をできるだけ少なくするには、早期発見で原因を特定し封じ込める必要があるとして、国をあげての新しい取り組みが始まりました。

 

それは、ダイヤル911ではなくダイヤル119というサイバー攻撃を受けている人のために新たに開設されたホットラインです。

 

おそらく世界発であるイスラエルのこのサービスは、ベエルシェバに拠点を置くCERT (コンピュータ緊急対応チーム) の取り組みの一環です。

 

このサービスは、約1年間にわたるモニター運用の後、先月正式に開設したもので、24時間年中無休の無料サービスで、誰でもサイバー攻撃や攻撃の疑いを報告し、すぐに助けを求めることができます。

 

先週、テルアビブで開催されたサイバーセキュリティ会議で、国家サイバー局のイガル・ウナ局長は、次のように述べました。

「素晴らしいセンサーです」「サイバー攻撃の連絡を受けます」

 

ウナ氏は、このサービスは納税者にとっても当局にとっても良いものであり、その役割は疾病管理センター(CDC)の役割に似ていると説明しました。

 

「我々は伝染病のようなものを扱っています」

「サイバー攻撃は通常、アウトブレイクのような働きをします」

「発見が早ければ早いほど、感染者を特定し封じ込めることができます」

 

このホットラインは、1年ほど前は一日5件ほどでしたが、現在はすでに毎日約200件の電話がかかってくるそうです。

 

このホットラインの相談の中には、「エアコンが私を襲っています」といった面白いものもあるそうですが、「私たちは全て真剣に対応します」とウナ氏。

 

同氏は、そのケースが実際には新種の攻撃の可能性もあり、「もし同じ奇妙な現象を3、4回相談されたらチェックする」と語っています。

 

同局では、このホットラインで、ネゲブのベングリオン大学の学生を採用し、トレーニングをしているとのこと。

 

イスラエスタイムスが、このホットラインに電話をかけてみた様子を次の通り報じています。

 

サイバー局のホットラインに電話を掛けると、呼び出し音が1、2回なった後、一人の女性がでた。
Time Of Israel : 「こんにちは。教えていただきたいことがあるのですが」
サイバーホットラインの女性(CH):「どうされましたか?」
TOI:「サイバー攻撃を受けていると思うのですが、どうしたらいいですか?」
CH、非常に丁寧に:「なぜあなたはサイバー攻撃を受けていると思うのですか?」
TOI:「そうですね、私のコンピュータが、突然とても動作が遅くなります」
CH、またもや非常に丁寧に
  「そのことが、必ずしもあなたがサイバー攻撃を受けているということではありません。この場合、一例として、インターネットのサプライヤーに連絡することをお勧めします」
TOI:「サイバー攻撃があった場合は、どうなるのですか?」
CH、非常にやさしく:「そうですね。ファイルが消えたり、そのような奇妙なことが起きているのを見つけたら、その時は、私たちはチェックしますよ」
TOI:「まあ。どうもありがとうございます」
CH:「どういたしまして」

H/T The Times of Israel

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

 

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