【国連報告書:北朝鮮】北朝鮮は制裁にもかかわらず積極的に核計画を保護している

トランプ米大統領は5日の一般教書演説で、北朝鮮の金正恩総書記と今月27、28両日にベトナムで会談すると述べました。
この演説に先立ち、国連の制裁監視団による北朝鮮についての機密報告書をロイター通信社が入手した発表をもとに書かれている記事を紹介します。
既に国内でも報じられているようですが、少しばかり詳しくでていますのでご覧ください。
こちらは、カナダ、CBCから紹介します。
Post by Mariko Kabashima  2019/02/06  21:35

【CBC 2019/02/04】

今月下旬に予定されている第2回首脳会談を前に発表された報告書

 

国連の北朝鮮制裁監視団による秘密報告書によると、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画は現在も継続されており、いかなる軍事攻撃によってもこれらの能力が破壊されないよう同国は取り組んでいるという。

 

ロイター通信が入手した、国連安全保障理事会の15カ国からなる北朝鮮制裁委員会への報告書は、今月後半に予定されているトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩総書記との第二回首脳会談に先立って発表されたものである。

 

2018年6月に初めての会談で、金総書記は非核化に向けて努力することを約束した。

トランプ氏が北朝鮮との取引で「大きな進歩だ」と称賛した一方で、国連の報告書は、北朝鮮が特定された少数の核およびミサイルの組立工場と製造工場に関しては、効果的に「断頭攻撃*」を防止する目的で弾道ミサイルの組み立てや実験に空港などの民間施設を利用している」ことを明らかにした。


訳注 :断頭攻撃*・・・・核戦争においては、断頭攻撃は先制攻撃であり、相手の軍事的・市民的指導体制を不安定化させ、核報復能力を著しく低下させるか破壊することを目的とする。本質的には対兵力攻撃の一部であるが、対兵力攻撃は武器を直接破壊しようとするのに対し、断頭攻撃は敵の武器使用能力を除去するためのものである。(wikipedia

 

同報告書は、北朝鮮の正式名称である朝鮮民主主義人民共和国の略称を用いて、「北朝鮮が組立・保管・試験場所を分散させるという一貫した動向の証拠を発見した」としている。

 

金曜日に、北朝鮮の国連代表部は、317ページにわたる国連報告書に対するコメントを求められたが、回答は得られなかった。

 

国連安全保障理事会は、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発への資金供給を阻止し、石炭、鉄、鉛、繊維、魚介類の輸出を禁止し、原油と石油製品の輸入を制限するために、2006年以来、北朝鮮に対する制裁を全会一致で強化してきた。

 

「同国は、石油製品や石炭の船舶間での違法な輸送が急増していることから、安保理決議を無視し続けている」ことを監視団が発見した。「これらの違反は最新の国連制裁を無効にしている」


「制裁回避テクニック」

 

監視団は、前例のない、57,600バレル以上、570万ドル以上に相当する禁止された石油製品の輸送の証拠を得たと述べた。

 

彼らによると、「この地域の大手商品取引業者、燃料代金の支払いを容易にした米国やシンガポールの銀行、関係船舶の1隻を保護し補償する英国の大手保険会社を含むデュー・デリジェンス**を無効化する新たな制裁回避手法」を浮き彫りにした。

訳注:デュー・デリジェンス**・・・不動産投資やM&Aの際に、企業の資産価値を適正に評価する手続き。企業の収益性やリスクなどを総合的かつ詳細に調査してその価値を査定する。

 

報告書はまた、北朝鮮がリビア、スーダン、イエメンのウーシ反乱軍に対して、小型武器だけでなく、国連の武器禁輸に違反し、「中東・アフリカ諸国の武装勢力や政府に幅広い兵器を販売すること」を試みていると非難した。

 

国連監視団はまた、「北朝鮮がサイバー攻撃を利用して金融制裁を回避し、金融機関や仮想通貨取引所から資金を違法に移転させようとする一つの動向」を指摘した。

 

監視団は、北朝鮮はぜいたく品の輸入を禁止されており、昨年10月7日に平壌で公開された比較的新型のリムジン 「ロールス・ロイス・ファントム・リムジン」 について調査していると述べた。

 

ロシアと中国は、トランプ氏と金総書記が初めて会談した後、安保理に制裁緩和を協議するよう提案した。しかし、米国をはじめとする安保理理事国は、北朝鮮が行動を起こすまでは、制裁の厳格な執行が必要だと主張している。

 

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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